一生分のラブレター

３４. ページ37

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『嫌いになるわけ……』




嫌いになるわけないじゃないですか

寧ろ、毎日先輩への好きが強まってます







そう、言いたかった


先輩のことが好きだって伝えたかった






今なら、伝えてもいいと思った









だけど、これ以上私の口が動かなかったのは






「壱馬〜！帰ろ？」


そう言いながら、私たちの方へ歩いてくるあの女の人の所為







私のことを見つけた瞬間、その目つきは変わって

その視線が余りにも冷たくて、痛い









「またこの子に構ってるの？もういいじゃん、帰ろ〜？」



可愛い甘い声でそう言う女の人に、壱馬先輩は少し低い声で「は？」と言った








壱馬先輩は女の人に対して怒っているようにも見えたけど、









『すみません、私、行きますね』



これ以上、この場にいるのは耐えられなくて









「ちょっと、」



そう止めようとしてくれた壱馬先輩の手を払って、走って逃げ出した









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