両片想い。（２）

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慎「彩音さん、お願いしてもいいっすか」


彩「ん？いいけど…」




彩音さんは不思議そうに、一瞬私の方を見た








慎さんは、最近は殆ど私が担当していたのに

今日は、違った




メイクをするとき、閉じられた慎さんの目が綺麗で好きだったのに

これからはもう近くで見れなくなっちゃうのかな…









今日だけだよ、きっと。

そう自分に言い聞かせるけど、現実はそう甘くなかった









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『慎さん、最近何かあったんですかね…』



一週間が経ったけど、あれから慎さんのメイクをさせてもらうことはなかった

彩音さんが忙しいときは麗奈さんのところへ行ってしまうんだ







メイクをしながら、川村さんにこそっとそう言うと、



壱「…あぁ、」


何かありそうな感じだったけど、川村さんは誤魔化すだけで、何も教えてくれない







私、無意識のうちに何かしてしまったのかな

慎さんの気に障るようなこと…しちゃったのかな





好きな人のことでこんなに悩むのは久しぶりで、どうしていいのか全然分からなくて


『はぁ…』

ため息をつく









そんな私を見て、川村さんは、



壱「Aちゃんはさ、幸せ？」



そんな不思議な質問をしてきた









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