両片想い。（２）

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ある程度挨拶を済ませ、

今は夜風に当たるために外にいる




人が多いこの会場で、ずっと居るのはやっぱり疲れるから、

冬が近付くこの少し冷たい風が気持ちいい









酔って少し熱を持った頬が、冷たい風に触れる









ライブツアー

あっという間だったなぁ…



ここ数ヶ月はずっと、ツアーのことだけを考えてきた





どうしたらお客さんにより楽しんでもらえるか

それを第一に考え行動するメンバーさんを、少しでもサポート出来るように








私、ちゃんと出来てたかな？









「花野！」


『わっ！ビックリした、なんだ梶くんかぁ』



さっきまで誰もいなかったのに、急に声が聞こえて本当に驚いた






梶「なんだ、って何？」



一瞬慎さんかと思った、慎さんだったら嬉しいかもって思った、なんて……死んでも言えない。







『いや、何でも。どうしてここに？』


梶「外の空気吸いに来た」


『私も。人多いからね』


梶「嘘、本当は…」





何？って聞こうとして梶くんの方を見ると、

思っていた以上に距離が近くて思わず目を逸らしてしまう







梶「本当は、花野が出るのが見えたから来た」









さっきまでは空いていたはずの、私と梶くんの距離


気付けばそんな隙間なんてなくなっていた









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