両片想い。

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北「ね、それちょっと欲しい」



私が頼んだパスタを指差す北人さんに、お皿を渡そうとすると





北「違う、」


顔を私の方に近付け、口を開けている









うぅ…、慣れてないのに。





一口サイズをフォークに絡め、そのまま北人さんの口の前まで持っていく

そのまま口の中へ入って、「ん、うま！」って





「はい、こっちも」って、気付けば口を開けていて、北人さんが頼んだパスタが口の中に




北「美味しい？」


『めっちゃ美味しいです…！』


北「ふふ、良かった」






こんなにいい感じの雰囲気のお店、普段は入らないし入れない

しかも、男の人と慣れないサシでのご飯


…ってこともあってとても緊張していたけど、気付けばそんな緊張なんて解れていて









『それで、私はダメって言ったんですけど、』


北「聞いてくれなかったんだ？」


『そうなんですよ…どう思います？』


北「俺も前そういうことあったよ」





今までメンバーさんとはこんなにプライベートな話をしたことはなかった


北人さん、聞き上手っていうか…どんどん話してしまうんだよね









しかも、お酒はなし


「俺ら弱いからやめとこっか」って北人さんが言ってくれたから、今日は迷惑掛けずに済みそうだ









北「俺もさ、喧嘩したことあって…」



メンバーさんの聞いたことのないエピソードも聞けたり、
北人さんのことも沢山知れた

オフの日は料理をすることが多いこと、意外と雑なこと…とか知らなかったことを、沢山。









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『すみません、ご馳走していただいて』


北「いーのいーの。美味しかったね！」


『はい！沢山話せて楽しかったです』


北「俺も楽しかった、また行こうね」


『是非！』








仕事柄、外で一緒に居るのはあまり良くないだろうということで、北人さんとはお店を出て直ぐに別れた




夜風に当たりながら、

楽しかったなぁ、なんて考えている









________このときはただ、幸せだったんだ。









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