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二次審査通過を聞いてから
壱馬は更に歌に打ち込んでいた
三次審査にも通過し、ファイナリストになった
レッスンや合宿などで本当に忙しくて、
会えない日が殆どだ
壱馬からのLINEは、合宿前の
" 頑張ってくる! " で止まっている
…分かってる。
甘い世界じゃない
合宿中に、呑気に彼女と電話やLINEをしている暇なんてない
それくらいの意識では到底受からない
そんなの分かってる。
でも、身体は素直で
会えない不安と、寂しさから
私の体調は悪化していった
壱馬は頑張っているのに、私は頑張れない
それが辛かった
病院に通うことが増えて、また、入退院を繰り返していた
「何かあったらすぐご連絡くださいね」
また、一時退院
お母さんのご飯が食べられるし、自由に電話もゲームも出来る
家に帰れるのは嬉しいはずなのに
何も嬉しくない
『もう、やだ…』
病院の待合室で、周りにも人がいるのに
私の涙は止まってくれない
「え、…Aちゃん?」
後ろから聞き覚えのある声がした
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作者名:檸檬 | 作成日時:2020年4月7日 23時