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「はい、どーぞ」
だんだんと寒くなってきた季節
温かいココアが身に染みる
『って、なんで知ってるの?』
「何が?Aがコーヒー飲めないこととか俺知らないけど」
『いやそれだから!知ってるじゃん!』
あははは、と声をあげて笑う壱馬
…私、コーヒーが苦手って壱馬に言った覚えないんだけどな
「前さ、遊園地行ったじゃん?」
『うん』
「あの時俺、コーヒー頼んでさ。あげたらA、密かにめっちゃ苦そうな顔してたから」
『あ、』
「苦手なんだろうな〜って」
『あの時バレてたんだ』
「Aのことだから、俺に合わせようとか思ってたんでしょ」
…全部図星。
ちょっと休憩しようって、壱馬が飲み物を買ってくれたんだけど
私はその時ジュースにしたんだっけ。
ジュースを頼む私の隣でコーヒーを頼む壱馬がなんだかすごく大人に見えて
「飲む?」
そう言われたのを断るのがなんとなく恥ずかしくて頑張って飲んだんだけど
やっぱり苦かったんだ
お子ちゃまだな〜なんて思われたくなかったから隠してたつもりだったのに
まさかバレてたとは
「苦いの無理?」
『苦手、かな』
「可愛い」
『またバカにして…!』
「バカにしてないって!」
そうやってふざけ合っている幸せなとき、
私の目に入ってきたのは1枚の紙だった
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作者名:檸檬 | 作成日時:2020年4月7日 23時