さよなら、愛してる (ページ15)

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１４. ページ15

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冬が終わり、季節は春になった

桜が舞う中、新入生たちが校門をくぐる

その姿を教室の窓から見ていた

去年は、私たちもあそこに居たんだ

そう思うと感慨深い

…あの頃は川村くんと再会するなんて、ましてやこんなに仲良くなるなんて思ってもいなかったなぁ

｢A、行こ！｣

『やだぁ…』

｢はーやーくー！｣

私たちにも一大イベントが待っている

｢私ね、クラス発表緊張しすぎて寝れなかった｣

『え、私も』

私たちの高校では、修学旅行は二年生のイベント

つまり、三年間で一番重要…

｢ねぇ、待って！！｣

『嘘！！！！！』

｢やった～！！｣

一年の時、同じクラスで仲良しだった二人と同じクラスになれた

それでもう満足なはずなのに、私の目はまだ誰かを探してる

｢安心して、居るよ｣

何も言わなくても分かるよ、とでも言うように、友達が指差す先には、

" 川村壱馬 " の文字があった

『同じ…』

｢良かったね！｣

｢私たちも目の保養になるからラッキーだね～｣

友達にはバレてる、か

昔はこういうのは、周りにはバレないタイプだったんだけどな

どうしてだろう

こんなに大勢いるのに、すぐに見つけてしまうのは

い、っ、し、ょ、！

此方を見た川村くんはそう口パクで伝える

私は咄嗟に目を逸らした

なんで、？

前も同じようなことがあったのに

その時は全然大丈夫だったのに

今は、何故か直視出来なかった

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