If...

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｢ほら、肩に手回せ｣







直人さんの家に到着した


慎は直人さんの肩に手を回して歩いているけど、
足を引きずっている









｢俺ちょっと連絡してから降りるから、A先降りてて｣


『...うん、分かった』







私は、そう言われて車を降りた




家に入るフリをして暫く壱馬のことを見ていたけど、、

誰かに電話を掛けている様子とかは全くない









『...もしかして、』




慌てて壱馬の元へ行き、車のドアを開けた









｢どうした？｣


『...ちゃんと言って』


｢え？｣


『足、怪我してるんでしょ？』


｢大丈夫だって｣


『嘘だ。歩けないから、私を先に降ろしたんでしょ？』








そう言うと壱馬は黙り込んだ



...やっぱりそうなんだ









『肩つかまって』


｢大丈夫だって｣


『大丈夫じゃない』






大丈夫じゃないからまだここに居るんでしょ？









『私、、壱馬の力になりたいよ』


｢.....ありがと｣






慎と同じくらい、壱馬も足を引きずっていた









どうして早く気付いてあげられなかったんだろう









外では足を引きずって歩いていたのに、

家に入って皆の顔が見えた途端、普通に歩こうとした壱馬






｢みんな大丈夫か？｣


なんて言って









トップだから、




皆に弱みを見せられなくて、

隠して、



自分のことよりも周りのことを気にかけて、心配して









｢俺はへーきだよ｣



なんて笑ってる壱馬を見ていると胸が痛くなった









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