万年金欠、マネになる/03 ページ4
×××
「あたし中学んときバレーやってたんですけど、先輩方や監督に相当お世話になったので。今度は"支える側"も経験したいなあ、と思ったんです」
「…お、バレー経験者！ちなみにポジションは？」
「ウイングスパイカーです」
チビだからね。決まったときの爽快感半端ないよ。
………………
「ちょ、おま、押すなって！！」
「ばっっか田中声デカい！」
「スガさんも！！大地さん怒ると怖いんすから……！！」
…あれ、なんか今。
気配を感じて語尾が小さくなったあたしには、コソコソとしたくぐもり声が確かに聞き取れた。それは澤村さんも同じだったようで、ドアの方へ首を巡らせたあたしに「ちょっとごめんな？」とまあ良い笑顔を向けた。
「あ、ヤバい、大地さんこっち来………」
「ひいッ………！！！」
「逃げんな縁下ァ！！」
どうりでボールの音も掛け声も………。話すのに夢中で、気付かなかったわ。
スン…と一瞬で真顔に戻った澤村さんは、スパァン！というものすんごい音を立てドアを開いた。野太い叫び声の後そちらを確認すると、人間雪崩の山から、何人かが菩薩顔であたしに手を振る。
何となくで手を振り返してしまったが、………澤村さん、あなた凄い恐れられてるじゃないですか。めっちゃ優しそうなのに……。絶対怒ったりしなさそうなのに……。
「お前らなァ………！！」
「すみません大地さん、どうしても気になっちゃって！！！」
「だからって盗み聞きかボケ！！！」
「だって大地さんだけズリィっす！！」
わいわいと騒ぐ声をドア越しに聞きながら、やっぱり声掛けた方がいいよね……と外に出た。
×××
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 82人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
シロ(犬) - とっても面白いです。体調に気を付けて更新頑張ってください! (2019年7月12日 18時) (
レス) id: fa5f2782df (このIDを非表示/違反報告)
ニンピニン(プロフ) - 依月さん» ほんとですか。しますか、名作の予感()一応テスト近いんで更新スピードはおっそいですが、よろしくお願いします！ (2018年9月5日 10時) (レス) id: 7f4bbc6d57 (このIDを非表示/違反報告)
依月 - 名作の予感...笑((o(｡>ω<｡)o)) 更新無理せず頑張ってください！ (2018年9月4日 20時) (レス) id: 516cd1f0d2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ニンピニン | 作成日時：2018年8月8日 20時
