マイ・テリトリー (ページ6)

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彼のあまりにも美形すぎる顔と見た目に合わない低い声が頭から離れなかった。

自慢ではないけど、ジェノと同じくらいイケメンだと思う。

まさに薔薇と薔薇だ。

私にとっては不気味にも儚い。

少しでも触れ方を間違えてしまえば、血が出て傷が残る。

私はそんな薔薇が大嫌いだ。

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私はお風呂からあがった後、広いベッドに飛び込んだ。

今日は彼氏がいない。

久しぶりに一人で寝れることに、少しだけ嬉しさがあった。

いつもは夜になると、毎日のように彼氏から求められていたからだ。

さすがに断ることが出来なくて、ただジェノに応える日が続いていた。

正直言うと…彼は激しいうえに上手で、時間も長い。その分しっかりと愛情も注いでくれる。

でも、それに体力はついていってくれなかった。

私は、必ず途中で気を失ってしまう癖があった。

元々行為自体が得意でも好きでもないため、

彼のプレイになれるのにはかなり時間を要した。

彼を満足させられるように、一人で練習をしたこともあった。

でも、その時間はとても苦しくて辛いものだった。

その時、私の頭に頭痛が走る。

『痛い……』

疲れているのだろうか。

頭を抑えながら、ベッドの上で縮込められたようにうずくまる。

私はゆったりと身を引きずり、棚の中に入っていた薬を飲む。

その瞬間、全身の力が抜け目の前に映る天井に吸い込まれながら私は意識を手放した。