マイ・テリトリー (ページ14)

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『ジェミンさん、看病もしてもらった上に朝食もご馳走してくれるだなんて……』

私は彼に頭が上がらなかった。

「いいですよ別に。」

「それより、『さん』付けとか敬語とか社会的距離感じるしタメ語で話したいな？」

急な、近すぎる心の距離に少し驚いてしまう。

私はこの雰囲気を気まずくしたくなかったので『そうだね』と返した。

彼は食器を洗い終わり、私の隣に座る。

彼の作るご飯はとてもおいしく、どこか懐かしさを感じさせた。

それからしばらく沈黙が流れ、私は沈黙を破るように口を開いた。

『そういえば私…名前、ジェミンに教えたっけ？』

ジェミンは目を丸く開いて、こちらを見た。

『初めて会った時も軽く挨拶しただけだったから……なんで知ってるのかなって、』

あまりにも静かすぎる空間に私はきまり悪く笑う。

その時だった。

「なんでだと思う？」

彼の顔が鼻先が触れそうなすぐ近くまで来ていた。