ヤーさんぽい人、頑張る ページ7
「……ドスを隠してたなんてね。」
『護身だ、お前さんみてぇなやつがいるからなぁ?』
太刀に対してドスじゃ分が悪いか……
弾いてから、少し後ろに飛ぶ。
室内は狭い、太刀は普通不利なはずなんだがな。
「へぇ、身のこなしはいいね」
『神さんに褒められるたァ光栄だねぇ…』
どちらともなく、刀を構え直す。
俺の目つきも大概悪ぃが、こいつも悪ぃな、
折角の美形なのに持ったいねぇな?
刃が交わり、ギチギチと音が鳴る。
俺が綺麗にしてやったのに、俺が汚すのは癪だ
相手の刀を弾き、ドスを下げる。
再び降ってくる白刃を、
素手で掴んだ。
「へ…」
『辞めとけや、俺が綺麗にしてやったのに、無駄にするつもりか、お前さん。』
有り得ないという顔で俺の手を見ている。
利き手がしばらく使えねぇなーなんて思いながら、相手の目を見る。
困惑、そんな目だ。
はっ、滑稽だな。
2人とも無言のさなかにも太刀には俺の血が滴っている。
刀は人の血を吸って、切れ味が増すってじいちゃんが言ってたが、何故鉄が血を吸うのかが俺の中には未だに謎だ。
「な、なんで…」
やっと口を開いたかと思えば、怯えが滲んでいる声色でそういった。
『なんでって、そりゃ、ドスでやりやっときゃそのうちお前も怪我すんだろぉが』
白刃からこいつの力が抜けていくのがわかったから、手を離した。
でも離したことによって、さらに止めどなく血が流れてゆく。
畳が汚れる!!
「ごめん、ごめんね、痛かったよね、ごめんなさい、ごめんなさい、許して、貞ちゃんや鶴さん、伽羅ちゃんに何もしないで、ごめんなさい…」
……こいつも大変だったんだろうな。
萌良に俺が好まれたのだとすれば、こいつも大層気に入られるだろう。
俯いて、表情は読めないが、確かに歪めている。
先程の好戦的な態度はどこに行ったのか、、、
『殴らねぇし、何を許せばいいんだ?お前がしたこたァ間違ってねぇだろ。俺だって逆の立場だったら殺 してらァ。守ろうとしただけだろがお前は』
そう言って、頭を撫でた。
最初は肩を震わせたが、じきに慣れたのか大人しく撫でられている。
「戻ったぜー!お茶持ってき…ん?」
『鶴丸、包帯くれ。後、こいつどうにかしてくれ』
抱きついて離れなくなった。
こいつは燭台切光忠と言うらしい。自分で名乗っていた。俺も名乗り返したが。
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カイト(プロフ) - とても面白いです!続きを楽しみにしています (2021年2月14日 7時) (レス) id: dc7be63a62 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきな(プロフ) - これからも無理せず頑張ってください!楽しみにしてます! (2020年10月18日 14時) (レス) id: e7791cc44f (このIDを非表示/違反報告)
真紅(プロフ) - 黄花さん» そう言っていただけて嬉しいです!応援ありがとうございます! (2020年3月6日 15時) (レス) id: 826d45fdb9 (このIDを非表示/違反報告)
真紅(プロフ) - アニメ大好きwomanさん» 受験が終わったので、一生懸命更新しますね!!!!! (2020年3月6日 15時) (レス) id: 826d45fdb9 (このIDを非表示/違反報告)
黄花(プロフ) - 読んでいて楽しいです!そして受験お疲れ様です!応援してます♪ (2020年3月6日 8時) (レス) id: 3c0d3771cb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:真紅 | 作成日時:2019年8月25日 17時