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アン『【水泡球の弾丸(ウォルト・バレット)】!!』


栗色の髪の彼女、アンの周辺に渦を描きながら出現した10数cm程の無数の水の球体が。

弾かれるように、鬼に向かって真っ直ぐにその身体を貫いてゆく!




鬼「ぐあぁあ!!」

「ちょっ、えっ、凄……ッけど、それじゃダメだ!
鬼は、日輪刀で頸を斬らないと倒せないんだよ!!」

アン『ハァ?!テメッ、そういうのは初っ端に言えよ報連相だろ!』

「なんで急に葉物野菜の話になるんだよ!!」



報連相とは報告・連絡・相談の略です。
ほうれん草のおひたし美味しい(・u ・)ŧ‹”ŧ‹”

社会人になったら役立つ大事なことですよ。
(はいココ、テストに出ま〜っす!←どこのや)



割と遅めに再生する鬼。
だがやはり、トドメを刺すまでにはいかないようで。



アン『──チッ、普通あれくらい穴開けてりゃ死ぬんだがな。
おい、チビ!お前が持ってるその"にちりんとう"?っての寄越しな!』

「いやぁ追い剥ぎ!?
……ってかチビじゃねーよ!むしろ俺、アンタよりちょっと大きいからね?!」

アン『身長じゃねぇよ。人間としての器のサイズだろ。(と鼻で笑う)』

「こんなんに言われたくねーー!!」



あ?誰が不良属性だコラ、と善逸を〆るヤンキー
…ゴホン。もといアン。
善逸は、首が締まると騒ぎながらアンの腕をタップする。


……ちなみに、若干忘れ去られつつある鬼は、もうとっくに全快してますよー?





アン『いけねぇ、バカに構ってたら同レベだって思われる。』

「ちょっと!ホントにいい加減に……あれっ?!俺の刀!!」


いつの間にやら盗られていた日輪刀。
魔法で水を纏った抜き身の刀を振りかざし、鬼に向かって振り下ろす──その一瞬前に。

考え直したのか、水が空中でサアァ…と霧散する。





アン『"大いなる海の、偉大なる母に抱かれて沈め(ウェルクィード・ヴェ・ラ・グラン=マンマーレ)"』

すとんと切り落とされた鬼の頸。
鬼よりも鬼みたいな凶悪な顔で斬ったアンの表情を、善逸が見ていなかったのは幸いでしたね。(汗)




「──った、助かった……」とへなへなと崩れ落ちる善逸だったが、振り返ってへにゃりと笑うアンの顔に。


─音が、戻った。


そう思い、はっと気づいた時には。
ふらりと力を抜いて倒れ込む湊の姿が。

慌ててバタバタと駆け寄り、何とか湊の身体を支える。



「……どうしよう?」

ほっと一息吐いた後。
ポツリと呟いた善逸の言葉だけが、屋敷に響く。

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作者名:前世あたりが多分、猫だった。(仮) | 作成日時:2022年3月21日 9時

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