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エピソード8.炭治郎side ページ19

浅草をたって数日。
俺は鎹鴉の言う次の任務地の方角へと向かっていた。


次の任務地の方角を俺の耳元で叫ぶ鴉に"静かにしてくれ"と頼みながら道を歩いていたから……

『「あっ」』


──ああ!人にぶつかってしまった!



「すみませ……あれ?」

農民『いえ、こちらこそ……ん?』

盗賊『…なんじゃ、誰や思うとったらあん時ンガキかい。』

「ダンさん……!」

農民『えっ、お知り合いですか?』

盗賊『おん、これこれしかじかで……『わあ!炭治郎さん!』……湊…』



久しぶり〜!と言ってキャッキャしながら俺の手を握り飛び跳ねる湊。……えっ、可愛…いやいや!俺は一体何を……!!




魔導師『ほらな。だから言ったろう?少年。
少し先の未来でまた(まみ)えようと』

「はい!……ところで、どうしたんですかこんな─「頼むよ!!」」



マーリンさんと話している途中に割り入る声。


少し(※服の模様がやっと判別できる程の距離)離れた場所で少女にしがみついて大声を上げる少年の姿が。



その少年の方をチラチラ見ながら、あの時には出会っていないくすんだ金髪の少年(……多分同年代かな?)が申し上げにくそうな表情…

といっても、下がり眉だからそう見えるだけなのかもしれないけど…頬を掻き、目線を少し外しながら引きつった口角を上げて言う。




農民『実は……そこの……大きな声の、子。
あの方の声で僕の…あっ、小さな猫なんですけどね?ミケって言うんですけど……まあ、驚いて逃げ出してしまいまして………』


「ええっ!!それは大変だ!一体どこら辺に行ったんですか!?探しますよ!俺!」


農民『えっ、ああ。あの…そこいらの草むらに逃げたとかそういうことではないんですよ。
──すみません、驚かないで下さいね?……実は、』



と言って少年が指先をスっと空に向ける。

俺もつられて上を見上げると……なんだ?
グルグルと旋回しながらギャアギャアと鳴いている黒い影……───まさか……!?




農民『…………アレです。』

「嘘だろ……!!」


あれってどう見ても猫じゃない!というか鳥?!

いや鳥よりも大きいじゃないか!コレって鳥の何倍あるんだ…

っていうかそもそもアレって一体なんの生き物なんだ…?


………ってあああ!もう!

湯水の如く疑問ばかりが溢れてくるぅ……!!




俺がそう頭を抱えていたら、くすんだ金髪の少年が『ワイバーンの1種なんですよ』とも付け加える。

……な、謎が増えた……

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作者名:前世あたりが多分、猫だった。(仮) | 作成日時:2022年3月21日 9時

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