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#4# ページ6

A「たーだーいーまー」





乱暴に靴を脱ぎ、ドタドタと階段を駆け上がる。

そして自分の部屋に入って、部屋着に着替えずに…



…ぼふっ!

ベッドへダイブする。





A「あーもうっ!疲れたぁ!」





ぼふ、ぼふぼふ、ぼふぼふぼふ、ぼふっ!


何も悪くないお布団を、

足でポカポカと蹴り、手でポカポカとグーパンチ。


ストレスが溜まった日に、必ずしちゃうこと。





A「んんっ…」





小一時間、意識を手放した私は、夢の国のお姫様だった。





母「おはよう、A」


A「ぅん、おはよぉ」





トボトボとリビングへ降りてくると、

お母さんが夕ご飯の準備に取り掛かっていた。


すると、私の方を見て…あからさまに眉を下げた。

この表情。


…もしかしてのもしかして。





母「A。…お兄ちゃん呼んできてくれる?」





ですよね〜。

そうだと思ってましたよ〜。





母「A。お願いっ!」


A「…やだ」


母「どうしてよ。いつもなら…」


A「お兄ちゃん、もう子供じゃないし。

私とお兄ちゃんがずっと仲が良いわけじゃないの!!!」





信じたくなかった。

けど、


“ずっと仲が良いわけじゃない”


そう思うしか、、、



私が幼い頃のお兄ちゃんの態度は、


いつも笑わせてくれたし。

幸せは二倍、悲しみは半分こ。

それが、お兄ちゃんの優しさだった。



なのに…

いつからか、冷めた態度を取られるようになった。


そんな日々が続いて、もう六年。


最近は、より一層ひどくなった。

あーあ。

こりゃ、きらわれちゃったな(笑)

って私は我慢して笑うの。





母「え。ケンカ、でもしてるの?」


A「それは違う。私が、____だけなの」


母「なんて?もう一回言って」


A「ごめん。私、ちょっと疲れてて…」


母「…そう。無理に頼んでごめんね」





そう言ってお母さんは、台所へ消えた。





A「はぁ…駄目だな、私」





ぽろぽろと流れ溢れだす、大粒の涙たち。



ひとつ。

また、ひとつ。

ひとつ。

また、ひとつ。


零れ落ちる涙は、テーブルに水溜りをつくり始めた。





A「私…ひっく、お兄ちゃんに、きらわれ、た。

あは、ははは…は。笑わなきゃ、こんな時こそ。

そうでしょ、…言ってたもんね?…ううっ」

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八乙女和奏(プロフ) - 面白いです!更新待っています!(*´▽`*) (2017年8月24日 0時) (レス) id: 67139f087c (このIDを非表示/違反報告)
瀬戸川 侑子 - 美咲さん» ありがとうございます!ちょっとしんみりしたラブコメを目指して頑張ります! (2017年8月17日 11時) (レス) id: 0f143d1035 (このIDを非表示/違反報告)
美咲 - この小説ほんとに面白いです!続きがとても気になる作品ですね(*^_^*) (2017年8月11日 21時) (レス) id: 7a2e235d30 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:瀬戸川 侑子 | 作成日時:2017年8月6日 19時

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