innocent 2 (ページ39)

今日:6 hit、昨日:12 hit、合計:62,162 hit

星座占いページ39

・

「傘もった？」

「…………持ってない」

「スマホは？」

「ない！」

「どうしたらそんなことに……」

事の発端は数十分前。

昨晩特に変わったことはなかったのに、今朝、光のアラームが鳴らなかったらしい。

俺が起きる必要はなかったんだけど、あちこちで物音がすごいから起きてしまった。

休みだから昼まで寝る予定だったのにな。

「なんでだろ、まじでごめん」

「いいからまずスマホ探して」

「はい……」

一旦光がいなくなったリビングで、付けっぱなしの情報番組の画面が星座占いに切り替わる。

めちゃくちゃおめでたい演出で発表された今日の1位はいて座だった。

「ほら1位光だよ、そんな日に遅刻しないでしょ」

「スマホあった！」

聞こえてるのか聞こえてないのか、少し遠くから届くのはたぶん時間を忘れている彼の声。

「ベッドにぶん投げてあった」

「いいからほら、もう忘れ物ない？」

「たぶん」

家に軽食がないのだけ申し訳ないな……と、まだ今日は使われてないキッチンに目をやる。

「伊野ちゃんは？」

「なに？」

急に勢いを止められる。

「何位だった？」

振り返って少し覗き込むと、かに座が哀愁漂う青色で表示されていた。

「12位。ラッキーパーソンは頼れる人」

「12位か……で、頼れる人？」

「俺の運勢どうでもいいから」

・