僕の専属トレーナー

本物 ページ13

〜壱馬side〜









「今日は3時からレコーディングに変更〜」





北人からきたそんなLINE




壱馬「え、今日トレーニングなんやけど」








はあ、ホンマふざけとるわ
そのためにスポドリだって持ってきたのに...









壱馬「...ゆあさんに言わんと...か。」







ゆあさん、怒らんかな
いつもみたいに「またサボんの！？」なんて言われたりして笑









壱馬「おっしゃ、5階まで行かな。」









５階のトレーニングルームを目指すエレベーターの中、ふと思い出した。








壱馬「キョロちゃん...。」








あの子今、何しとんのやろ。
てか、あの日はなんの用事があったんやろ。








壱馬「...可愛かった...なぁ。笑」








こんなん思ったの久しぶりで。
いや、モデルさんとか会ったらそりゃあもうびっくりするほど綺麗なんやで？
でも、あの子はなんかあどけなさが残ってるっていうか、ほっとけんっていうか…







壱馬「会いたいな。」







こんなん思うのも久々すぎて今まで忘れてた。




そんなん考えてたらエレベーターはあっという間に５階へ。







なんか、ゆあさんに会うの久しぶりな気がする







壱馬「むだに緊張すんなあ。笑」







おしっ。言ったろ。







ガチャ








ドアを開けた先に見えたのは、二人の女の人
1人はゆあさんって分かるんやで？
でも、もう1人が...ん？








壱馬「ゆあさーん。」








名前、呼んだらめっちゃ怖い目で睨みつけてきよって、





ゆあ「なに？」

壱馬「...え、なんで怒ってんすか？笑
......あれ、キョロちゃんじゃん。てかなんで泣いてんの？」







そしたら、ゆあさんめんどくさみたいな顔してこっち見てくるから








壱馬「え、ゆあさん泣かせたんすか？笑」







ゆあさんだったらやりかねない笑
そしたらゆあさんまたため息ついて「で、なに？」って。冷た笑





壱馬「おれ、今日の3時からトレーニングの予定入ってたんすけど急遽レコーディングはいっちゃって。だから、明日の10時にしてもらえませんか？」








言ったら、わかったって。
ていうか、なんでキョロちゃん泣いてんの？
誰が泣かしてんの？








俺はなんもしてやれんかもしれんけど、
「力になりたい」そう思ったきもちは本物やで









俺がこのきもちの正体に気づいてしまうのは、まあもう少し先のお話。

後にも先にも→←似たもの同士

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す