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「お邪魔します…」
家の中に入るけど、お母さんらしき人はおらず やっぱりここには風磨先輩と妹の美桜ちゃんしかいないらしい。
あれ、風磨先輩どこ行った…
ほんと逃げ足だけは早いんだから…
「美桜ちゃん、お兄ちゃんのお部屋どこかわかる…？」
美桜「にかい！きてぇ！」
ご丁寧に美桜ちゃんが案内してくれたおかげで 風磨先輩の部屋の前までやって来れた。
入っていいのかなぁ、これ…
ガチャ
美桜「おねーちゃんいるよ！！」
「ちょ、」
ノックもなしに 勢いよく美桜ちゃんが部屋の扉を開けた。
さすが、子供。
それが許されるのは美桜ちゃんだからだ。
私がやったら もれなくしばかれる。
中を覗くと いたって普通の中に ベッドで寝込む風磨先輩
やっぱり、ほんとに体調悪いんだ…
美桜「おにーちゃん、おなかすいたぁ…」
美桜ちゃんはお兄ちゃんが大好きみたい
だって、今も ベッドに乗って 寝込む風磨先輩の肩をトントントンと叩いてる。
いいなぁ、兄妹って。
って、こんなこと考えてる暇じゃない。
今日は看病しに来たんだから 少しでも役に立って帰らないと来た意味がなくなる。
風磨「お菓子、買ってあっただろ…」
美桜「おにーちゃんとたべる」
風磨「俺はいらねぇって…」
「風磨先輩…」
風磨「あ？…お前か…」
あんまり、頭動いてない。
病院とか連れて行った方がいいのかな。
「失礼します…
風磨先輩、冷えピタとか…ポカリとかあるんですけど…」
風磨「え……、なんか飲みたい…」
「あ、！今開けますね…！」
よかった、ポカリを飲める余裕はあるみたいで。
袋から取り出したポカリのキャップに開けて 風磨先輩に差し出すと、体を起こして それを受け取る。
風磨「ごめん、美桜…、
一人でお菓子食べれるか？」
美桜「んんん…」
風磨「風邪治ったら好きなもん買ってやるから」
美桜「ほんと！？」
風磨「おう、」
美桜「ぷりきゅあのおもちゃ！！」
風磨「なんでもいいよ」
そう言えば 喜んで下へ降りていった美桜ちゃん
かわいいなぁ。
子供って単純だけど、いいよね。
それが良いところなんだよね。
それに、風磨先輩の美桜ちゃんを見つめる目がすごい優しかった。
美桜ちゃんのこと、大好きなんだろうな。
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作者名：ゆう | 作成日時：2020年11月25日 23時
