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ご飯も食べ終わって 20時過ぎ。
ここからはもう、みんな自分たちの部屋で自由時間
と言っても 私は一人部屋だから、ほんとにやることない。
みんなでトランプとかUNOとかしたいけど、さすがに男子の部屋に行く勇気はない。
さっき夕ご飯を食べに行ってる間に敷いてもらったふかふかの布団の上でスマホを弄って時間を潰す。
お風呂も入っちゃったしなー…
なんか、一人 こわい。
初めての場所に一人って、心細い。
昼間はあんなに楽しかったのに 一気に孤独。
今では お母さんといる時間が長いけど、小学生くらいまでは 両親共働きで、家に一人でいる時間が多かった。
夜ご飯も一人。
お母さんが作っておいてくれたご飯をレンジでチンして一人で食べるのが日常だった。
一人のときに一番嫌だったのは 雷だったなぁ…
一回 停電しちゃって、もちろんまだ小学生だった私はブレーカーの上げ方なんて分かるはずもなくて、お母さんが帰ってくるまで大泣きしてたことがあった。
一人って、こんなに寂しかったっけ……
いてもたってもいられず、部屋を出て 一階のロビーへ向かった。
自販機がいくつか並んでる前にベンチがあったから、そこにゆっくりと腰をかける。
はぁ……
早く明日になってほしいよ…
明日は確か 昼は町の商店街とかに行って 夜はお祭りがあるから、そこに行くとか中島先輩言ってたな。
「A…？」
名前を呼ばれた。
写真部の中で 私のこと呼び捨てで呼んでくる人って誰かいたっけ…
考えてみたけど、そういえば 今日の昼 私が海で転びそうになったとき、A って名前を呼んで助けてくれた人がいた。
「菊池先輩……」
お風呂上がりなのか タオルを首に巻いてガシガシと頭を拭きながら、目の前の冷蔵庫みたいなのから牛乳瓶を取り出す菊池先輩
お金は そばにあるボックスにチャリン、と入れる。
「お風呂…2回目ですか…？」
風磨「まぁ。
さっきばたついててゆっくり入れなかったから。
お前は？」
「え？」
風磨「一人で なに寂しそうなオーラ出してんの」
「出てました……？」
風磨「後ろ姿が切なかったぞ」
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作者名：ゆう | 作成日時：2020年11月25日 23時
