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健人 side
菊池はAちゃんを送り届けるために Aちゃんの家に向かった。
ぽつん、と部室に一人
今日は 菊池に呼ばれて部活に来たのに その張本人は早々に不在
んーー！
眠くなってきたぁ……
先 帰っちゃおうかなぁ…
あの2人 ほんとに大丈夫かな。
俺にはなんとなく分かる。
Aちゃんが菊池のことを気になっているのも
菊池がAちゃんに他とは違う特別な感情を抱いているのも
でも 2人とも拗らせ過ぎて、お互いがお互いのこと全く分かってない。
外野の俺としては もう、ずっとうずうずしてる。笑
早く付き合えよ！
ってね
そのとき ガラガラ、と部室の扉が開く音がした。
小野寺先生かな、
そんなふうに思ってたけど 全然違った。
そこに一人で立つ女の子はどこか見覚えのある顔
沙耶香「あの……A見ませんでした…？」
そうだ、
よくAちゃんと一緒にいる女の子だ。
名前は確か……
沙耶香「沙耶香です」
健人「おお……沙耶香ちゃん」
沙耶香「A体調悪くて、帰るように言ったんですけど 今全然電話繋がらなくて…」
健人「帰る…？」
沙耶香「朝からずっと変だったんです。
だから、昼休み保健室連れて行って 早退した方がいいって話したんですけど…」
あ、繋がったかも。
Aちゃんが昼休みの時点で帰らないで さっき部室に来た理由
写真作りのことがあったから 帰るにも帰れなかったんだ。
放課後までは ずっと保健室で休んでたってことね…
ほんと、そういうところは真面目なんだから。
健人「さっき菊池に抱えられて帰ったよ」
沙耶香「菊池先輩……！？」
健人「だから、電話出られなかったんだと思う…。
ごめんね、心配かけちゃって。」
沙耶香「いや……それは大丈夫ですけど…」
多分、そろそろ家に着いてる頃だと思う。
Aちゃんも 風邪早く治るといいけど…
沙耶香「中島先輩！」
健人「ん？」
沙耶香「Aのことよろしくお願いしますね！！
あの鈍感女、結構抜けてるところ多いんで！！」
健人「…任せて！」
やっぱり 沙耶香ちゃんも気付いてるのね。
てか、気付いてないのはあの2人だけだね。
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作者名：ゆう | 作成日時：2020年11月25日 23時
