段差のような崖【宇都宮虎丸】 ページ8
※モブ子投入、年齢操作あり
不思議な男の子に出会った。
いや、別に不思議ではないかもしれない。ただ珍しいだけだ。あれは何日か前の、土曜日の昼のことだった。
「ねーA。この前LINEで話題になってたお店があるの！みんなおすすめだって！ねえ行こうよー！」
私は部活の帰りで、ひどくお腹がすいていた。そしてそれを口にすると、一緒に歩いていた朱美がとある定食屋に誘ってきたのだ。
「だから私、家にご飯あるんだってば」
何度そういっても朱美は聞かない。どうしても行きたいのだという。
「じゃあ一人でいけばいいじゃん」
私が無理朱美を振り払って歩き出すと、急に何かが飛び出してきて、ぶつかった。
『わわっ……』
声変わりの途中みたいな、見た目のわりに幼い声をした、青年だった。
『あ…だ、大丈夫ですか？』
青年は私に手を伸ばした。私はその手をとらず、一人で起き上がった。
「ごめんなさい。ちょっと前を見てなくて」
軽く詫び、私は再び歩き出そうとした。するとまた、朱美が腕をつかむ。
「ねぇ、このお店なの！せっかくだから入ろ！ね！」
『うちの店に来たことがあるんですか？』
青年は腕捲りをした。まだ春なのに日焼けしている腕がのぞく。
「そうじゃないけど、すっごく有名なので！」
朱美は一緒にいて恥ずかしくなるくらい大袈裟だ。朱美のいう「みんな」は3,4人くらいだし、「すっごく」も朱美の中の偏見なのだ。
『じゃあ朱美は食べていきなよ。私は家にご飯あるから』
同じね言葉を口にするのが不快で眉をひそめた。店の人の目の前でこういう話を堂々とする朱美にも苛立った。彼は一見ニコニコしているが、腹の内では何かしら思っているに違いないのに。
『私ほんと帰るから』
私は朱美を置いてその場をあとにした。靴擦れの痛い革靴で、デコボコの歩道を走って帰った。
気づかないうちに、私は泣いていた。
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涙音(プロフ) - 十六夜月夜さん» 続き！！パラライズの続き！！予想外のリクエストでちょっと興奮しました(変態)！頑張って書きますね！了解です！ (2018年2月20日 23時) (
レス) id: 1a4f25a5d6 (このIDを非表示/違反報告)
十六夜月夜(プロフ) - リクエストで、パラライズの続きをお願いします (2018年2月20日 12時) (レス) id: 480d98284b (このIDを非表示/違反報告)
涙音(プロフ) - 十六夜月夜さん» 早速更新しました！湾田も浪川も大好きなので書いていて楽しかったです。よかったらまたリクエストしてください。ありがとうございました！ (2018年2月2日 19時) (レス) id: 1a4f25a5d6 (このIDを非表示/違反報告)
十六夜月夜(プロフ) - 涙音さん» おまかせでお願いします (2018年2月2日 6時) (レス) id: 480d98284b (このIDを非表示/違反報告)
涙音(プロフ) - 十六夜月夜さん» リクエストありがとうございます♪閲覧していただけて嬉しいです。浪川と湾田の取り合いの、オチはどうしましょうか？おまかせなら私が好きに書きますが、どちらか希望があればぜひどうぞ！ (2018年2月1日 23時) (レス) id: 1a4f25a5d6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：涙音 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/enkorimatsue/
作成日時：2015年4月2日 17時
