パラライズ【2】 ページ42
湾田と付き合いはじめてから普通なら絶好調になるはずの学校生活で、私には一つ重大な悩みがある。
「A！今日の放課後空いてるか？」
湾田の友達の浪川蓮助という男に、付きまとわれていることだ。
「湾田と帰るから無理」
「毎日一緒に帰ってんだからたまには俺と帰ろうぜ〜」
こんな風に、一緒に帰ろうとか、弁当食べようとか、遊びに行こうとかしつこく誘ってくるのだ。
私は毎回断ってきたのだけど、浪川は湾田の友達なのであんまり強くは言えなかった。でも誘ってくるだけで実際に何かしたことはなかった。
私は自慢じゃないけどあまり人間関係が得意ではない。男子なんて尚更だ。いつも簡単に引き下がる浪川に内心胸を撫で下ろしていた。
そんな弱みを、浪川はよく見抜いていた。
いつも通り適当にあしらって立ち去ろうとした私の腕を、浪川のごつごつした手が掴んだ。
「…………なあ、そんなに俺のことが嫌なのか？」
浪川の寂しそうな顔を見て、私は急に申し訳なくなってしまう。
「嫌いとかじゃなくて、私湾田と付き合ってるから＿＿＿＿」
「…………別れればいいだろ」
浪川の低い声に驚いた隙に、ぐっと抱き寄せられてしまった。密着すると、シャツの下の鍛えられた筋肉の感触がわかった。
「アタマではわかってるんだぜ、俺も。しちゃいけねーことくらい。だけどなんで、お前なんか好きになっちまったんだよ。なんでお前の彼氏が湾田なんだよ。意味わかんねえよ」
浪川は締め付けるくらい強く私を抱き締めた。湾田よりも筋肉質で、不覚にも鼓動が速くなる。
「細くて、柔らかくて、潰れちまいそう」
この人はほんとうに私のことが好きなのだ＿＿＿＿＿はっきりそう思った。絞り出した浪川の声があまりにも弱々しくて、私は胸が苦しくなった。
「ごめんな、A。頑張ってお前のこと、忘れるから」
一回だけ許して。
耳元で囁いたその唇を、浪川は私の唇に近づけた。
私はどうしても拒めずに、浪川とキスをした。
＃♪＃♪＃♪＃♪＃♪＃♪＃♪＃♪＃♪＃
リクエストありがとうございました。
湾田と浪川というリクエストがドストライクでした。
ちなみにオカルト研究部という設定は湾田のゲームでのプロフィールから捏造しました。
湾田→wonderって気づいた時は震えました。
七の字も七不思議の七なのかな。
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涙音(プロフ) - 十六夜月夜さん» 続き！！パラライズの続き！！予想外のリクエストでちょっと興奮しました(変態)！頑張って書きますね！了解です！ (2018年2月20日 23時) (
レス) id: 1a4f25a5d6 (このIDを非表示/違反報告)
十六夜月夜(プロフ) - リクエストで、パラライズの続きをお願いします (2018年2月20日 12時) (レス) id: 480d98284b (このIDを非表示/違反報告)
涙音(プロフ) - 十六夜月夜さん» 早速更新しました！湾田も浪川も大好きなので書いていて楽しかったです。よかったらまたリクエストしてください。ありがとうございました！ (2018年2月2日 19時) (レス) id: 1a4f25a5d6 (このIDを非表示/違反報告)
十六夜月夜(プロフ) - 涙音さん» おまかせでお願いします (2018年2月2日 6時) (レス) id: 480d98284b (このIDを非表示/違反報告)
涙音(プロフ) - 十六夜月夜さん» リクエストありがとうございます♪閲覧していただけて嬉しいです。浪川と湾田の取り合いの、オチはどうしましょうか？おまかせなら私が好きに書きますが、どちらか希望があればぜひどうぞ！ (2018年2月1日 23時) (レス) id: 1a4f25a5d6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：涙音 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/enkorimatsue/
作成日時：2015年4月2日 17時
