陸上をやめた本当の理由【2】 ページ24
次の日、泣き腫らした目を擦り、ちっとも眠れずもしぼうっとした頭を揺らしながら自転車を漕いだ。朝練より大分早いが、家にいてじっとしていると悶々としてまた泣いてしまう。
学校に着き自転車をとめると、まだ開いていない門によじ登り、敷地に入る。ほんとうはいけないのだろうけど慣れたことだ。エナメルのスポーツバッグと学生鞄を抱え、朝の冷たい空気の粒を選り分けるみたいに風を切って走った。
部室に着き、荷物を置きながら、もうここに風丸先輩は二度と来ないなんて思えないなと思った。誰も居ないので堂々とスカートを脱ぎ捨てジャージを履き、面倒なので制服のシャツの上にジャージを羽織った。
エナメルのスポーツバッグからゴツゴツしたランニングシューズを取りだし、目に眩しいくらい白い靴下を履いた足を突っ込む。いつもの感触に、少しほっとする。
部室から出て軽く体操してから、私はトラックを走り始めた。ピストルの鳴らないクランチングスタート、観客も選手もいないレース、風丸先輩のいない陸上部。
私は陸上が大好きだ。ただ走るだけの単純なスポーツだが、陸上選手はその素晴らしさに気づいた選ばれし者なのだと思っている。
風丸先輩も、陸上に魅了されていたはずなんだけどな。
風丸先輩が薄いランニングウェアーで走る姿を想像して、身震いする。もうあの姿をみることはできないのだ。
あっという間に400メートルを走り終え、私はその場に座り込む。なんだろうこの空虚感。しばらく立ち直れそうにないや。
声を出してあはは、と苦笑いしたそのとき、ふと、何かがタン、タン、と跳ねる音が聞こえてきた。バスケットボールにしては軽い音だ。サッカーボールだ！と気づいたときには、その音はかなり近づいており、視界の端に見慣れた空色の艶やかな髪と、見慣れないサッカーウェアーを捉えた。
風丸先輩だ。
ﾀﾞ
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涙音(プロフ) - 十六夜月夜さん» 続き！！パラライズの続き！！予想外のリクエストでちょっと興奮しました(変態)！頑張って書きますね！了解です！ (2018年2月20日 23時) (
レス) id: 1a4f25a5d6 (このIDを非表示/違反報告)
十六夜月夜(プロフ) - リクエストで、パラライズの続きをお願いします (2018年2月20日 12時) (レス) id: 480d98284b (このIDを非表示/違反報告)
涙音(プロフ) - 十六夜月夜さん» 早速更新しました！湾田も浪川も大好きなので書いていて楽しかったです。よかったらまたリクエストしてください。ありがとうございました！ (2018年2月2日 19時) (レス) id: 1a4f25a5d6 (このIDを非表示/違反報告)
十六夜月夜(プロフ) - 涙音さん» おまかせでお願いします (2018年2月2日 6時) (レス) id: 480d98284b (このIDを非表示/違反報告)
涙音(プロフ) - 十六夜月夜さん» リクエストありがとうございます♪閲覧していただけて嬉しいです。浪川と湾田の取り合いの、オチはどうしましょうか？おまかせなら私が好きに書きますが、どちらか希望があればぜひどうぞ！ (2018年2月1日 23時) (レス) id: 1a4f25a5d6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：涙音 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/enkorimatsue/
作成日時：2015年4月2日 17時
