さざなみのトパーズ【黒裂真命】 ページ3
静かな朝焼けの時。
私と真命くんは、堤防の上で夜を過ごしていた。もう家に戻らないと、漁に出る父が起きてしまう。
でも、多分二人とも、ずっとここにいたいと思っていた。
『きれいな島だね』
真命くんが、何度目かの台詞を口にした。真命くんは、この島にやって来た船乗りの子だ。今日の昼には海の上にいる予定だ。真命くんも、早く船に戻らなければならなかった。
真命くんが船に乗ったら、もう二度と会うことは出来ない。船乗りは、こんな島に二度と来ないはずなのだ。
一週間ほどの滞在期間のうちに、私たちはとても親しくなった。こんな素敵な男の子は島にはいないし、なにより相性がいいのだと思う。
『あそこに線路があるね』
真命くんは赤錆びた線路を指差した。海面すれすれにひかれた線路は何十年も前に廃線になっており、ところどころ藻が生えている。
「昔この島は鉱業で栄えてたの。今はどこの鉱山も閉山しているけど。その時隣の島に鉄を運ぶのに使ったんだって」
『隣の島か……』
隣の島はこの島とは違い、今もなお鉱業や商業で賑わっている。この島の人口の何割かは隣の島に持っていかれ、私の友達も何人か行ってしまった。
『その列車が今もあれば、また君に会えるのに』
真命くんはそう言って私の手を握った。私より固い手だ。毎日綱を握っているからだろう。
「嬉しい」
と、ポツリと呟く。本当は嬉しくなんかない。でも、そう言わないといけない気がして、きゅっと真命くんの手を握った。
『…寂しいよ』
その頃には、朝焼けに照らされた隣の島がぼんやり見えてきていた。
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涙音(プロフ) - 十六夜月夜さん» 続き！！パラライズの続き！！予想外のリクエストでちょっと興奮しました(変態)！頑張って書きますね！了解です！ (2018年2月20日 23時) (
レス) id: 1a4f25a5d6 (このIDを非表示/違反報告)
十六夜月夜(プロフ) - リクエストで、パラライズの続きをお願いします (2018年2月20日 12時) (レス) id: 480d98284b (このIDを非表示/違反報告)
涙音(プロフ) - 十六夜月夜さん» 早速更新しました！湾田も浪川も大好きなので書いていて楽しかったです。よかったらまたリクエストしてください。ありがとうございました！ (2018年2月2日 19時) (レス) id: 1a4f25a5d6 (このIDを非表示/違反報告)
十六夜月夜(プロフ) - 涙音さん» おまかせでお願いします (2018年2月2日 6時) (レス) id: 480d98284b (このIDを非表示/違反報告)
涙音(プロフ) - 十六夜月夜さん» リクエストありがとうございます♪閲覧していただけて嬉しいです。浪川と湾田の取り合いの、オチはどうしましょうか？おまかせなら私が好きに書きますが、どちらか希望があればぜひどうぞ！ (2018年2月1日 23時) (レス) id: 1a4f25a5d6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：涙音 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/enkorimatsue/
作成日時：2015年4月2日 17時
