ON MY OWN【狩屋マサキ】 ページ17
狩屋は、捨て子だ。
お日さま園にはたくさんの孤児がいるが、捨て子は少なかった。大抵が死別で、中には元から親の顔を知らない子がいて、捨て子は狩屋だけだった。
ほとんどの孤児は親がいないことを寂しく思っている。明るく振る舞いつつも胸中では自分の運命を呪っている子もいる。だから、みんな愛されたい愛されたいと無意識に思っていた。
........狩屋だけだった。
狩屋は自分の気持ちを隠すのが得意な子どもだった。泣きたくても泣かないこと、涙を我慢することを誰よりも早く覚えた。園の人は皆狩屋を誉めたので、狩屋も頑張っていろんなことを我慢した。涙、怒り、弱音。やがて狩屋は感情の起伏を隠すようになった........ただ、それは狩屋自身にも見えなくなっていった。
狩屋はいつもやさしい目をした。できるだけ良い子に、できるだけ好印象に見えるように。でもそれは仲間が欲しいが故ではなかった。
誰も、俺のなかには入ってこられないように。俺のなかに入ったように見せかけて、本当の俺のなかには近寄らせないんだ。どうせ誰も信用できないのだから........狩屋はそう考えていた。
しかし、狩屋は感情を隠していただけだ。失っていたわけではない。狩屋だってやはり愛されたいという思いが根底にあった。愛されたいけれど怖い。それが狩屋を世間から遠ざけていた。
.
マサキは、自室に閉じ籠っていた。
自室とはいえ、他の孤児達も暮らす部屋だ。夕飯が終わる頃には、ここもうるさくなる。マサキは夕飯を抜いて泣いていた。
正直、マサキは自分が恋をするとは思わなかったし、告白するとも思っていなかった。また、フラれて泣くとも思っていなかった。フラれて、泣いて、はじめてマサキは自分のなかにある寂しさに気がついた。捨て子という生い立ちのせいだろうか、心に巣食った寂しさが、離れない。
マサキが恋をしたのは、同じクラスのAという女子だ。吹奏楽部で、綺麗な髪で、可愛らしい子だ。
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涙音(プロフ) - 十六夜月夜さん» 続き！！パラライズの続き！！予想外のリクエストでちょっと興奮しました(変態)！頑張って書きますね！了解です！ (2018年2月20日 23時) (
レス) id: 1a4f25a5d6 (このIDを非表示/違反報告)
十六夜月夜(プロフ) - リクエストで、パラライズの続きをお願いします (2018年2月20日 12時) (レス) id: 480d98284b (このIDを非表示/違反報告)
涙音(プロフ) - 十六夜月夜さん» 早速更新しました！湾田も浪川も大好きなので書いていて楽しかったです。よかったらまたリクエストしてください。ありがとうございました！ (2018年2月2日 19時) (レス) id: 1a4f25a5d6 (このIDを非表示/違反報告)
十六夜月夜(プロフ) - 涙音さん» おまかせでお願いします (2018年2月2日 6時) (レス) id: 480d98284b (このIDを非表示/違反報告)
涙音(プロフ) - 十六夜月夜さん» リクエストありがとうございます♪閲覧していただけて嬉しいです。浪川と湾田の取り合いの、オチはどうしましょうか？おまかせなら私が好きに書きますが、どちらか希望があればぜひどうぞ！ (2018年2月1日 23時) (レス) id: 1a4f25a5d6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：涙音 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/enkorimatsue/
作成日時：2015年4月2日 17時
