居酒屋で会った婚約者【五条悟】

何気ない目が私を傷付けた(迫真) ページ34

様々な交通機関を使い、乗り継ぎ早2時間と30分。
きっと県を跨ぐだけで何でそんな時間が掛かんねんとお思いの方もいるかもしれないが考えてくれ。
出発したのは約午前1時。終電なんてとっくに終わっている時間だ。
深夜バスやらで何とか来たので目的地の最寄りに着いた頃にはとっくに朝日が昇っていた。

要約すると疲れたって事です。はい。

今は千葉の山奥の村。村名はさっき五条君が教えてくれたけど忘れちゃった☆

｢…四宮先輩｣

｢ん？どした七海君｣

神妙な顔をしている七海君の顔を覗き込む。
五条君はスキップで先に行ってしまって2人だけで歩いていた。

｢先輩がどうして呪術界を去ったのか気になりまして｣

｢珍しい。七海君が人に興味をもつなんて｣

｢人をアパテイアみたいに言わないで下さい｣

口調は平然としているが、目は泳いでいる。動揺したのか。

何で？




｢簡単だよ。私は呪霊が見えてもそれを祓う能力が無かった。けど無駄に家柄の良い家に産まれちゃったもんだから婚約結ばれちゃってね。それが嫌だったから逃げたの｣

｢…｣

｢まぁ、結局婚約者に場所バレるし百々目鬼のせいで関わらざるを得なくなってるから意味ないんだけどね｣

｢…待って下さい。先輩の元婚約者とはもしや…｣

｢うん。五条君だけど｣

｢…｣

いや、分かるよ。私も彼の性格知ってるからね。だけどそのご愁傷様です、みたいな目で私を見るのは止めよっか。傷ついちゃうぞ。

｢逃げて正解かもしれませんね｣

｢まぁ、そーだよね｣

｢婚約はもう解消されているんですか｣

｢そりゃ勿論……多分｣

え、前彼｢元｣って言ってたよね。言ってたから!!(銀髪君の正体参照)

｢…そうですか｣

｢え、何でそんな事知りたかったの？｣

｢いえ、漠然な興味です｣

え、ただの興味で私ご愁傷様な目で見られて傷付いたの？

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