居酒屋で会った婚約者【五条悟】

テンションを考えよ ページ29

お互い見つめあったまま、動かない。

正直に言おう。めっちゃ気まずい。

私と彼の身長差20cm程の為、必然的に私は彼から見下されることになる訳だが、脱サラ前まで付けていなかったメガネ越しから見える目がめちゃめちゃ怖いんですよ。
ホントに、なんでアンタがここにいるんですか(怒)みたいな感じなんです。

｢……はァ｣

あからさまな溜息が聞こえ、ドキッとする。

｢取り敢えずお久しぶりです。四宮先輩｣

｢は、はい｣

｢沢山聞きたいことはあるんですが、まず何でこの人と関わったんですか｣

｢いや、あの、居酒屋で…｣

｢酔うと誰彼構わず飲み仲間にする癖、直しなさいと言った筈ですが｣

｢ﾎﾝﾄﾆｽﾐﾏｾﾝﾃﾞｼﾀ｣

え、なに？何で私会って早々七海君に説教されてるワケ!?
いや、確かに１回言われたことありますよ。｢酒癖悪いので、直した方が良いですよ｣って。でも酔ってるから分からないんですよ。直す方法わかんないんですよｺﾝﾁｸｼｮｳ。

｢どう？感動の再開でしょ？｣

ニョキっと私達の間に顔を出した五条君にアッパーをかまそうとしたが、ヒラリと避けられる。

｢コレを見てどうしてそう思うんですか｣

本当だよ。どう見ても君のテンションみたいに｢わー!!感動の再会だー!!｣て、感じじゃないでしょうが。

｢ええー。残念｣

｢｢はぁ｣｣

同時に大きな溜息を吐く。この感じ、多分彼は何時もこうなのだろう。


御苦労お察しします。

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