今までの事を振り返ってみよう! ページ23
「わたくしにとっては、復讐もジリアンもどっちも大事なものですのよ…。」
「なら、ノエルはリッパ―を手本にしちゃいけない。」
彼はボマーだけを見ていたから目標を失い自暴自棄になった。
かつての私と同じだ。家族を、国民を失い復讐だけが生きる目的だったあのころ。
黒龍を倒した後のあの虚無感。
ノエルに同じ道は進ませない。
「復讐を閉ざすな。それを捨てたら、今のお前に何が残る?
復讐のために日常を捨てたお前が今度は復讐を捨てて、なんて言ってジリアンと向き合う?」
「それは…。」
「さあ、1つずつ思い出せ…。お前の復讐の始まりは何だった?
一番最初の出来事は、何だった?」
「ピアノでジリアンに八つ当たりしてしまったこと…ですわ。
向き合えなかったことを謝りたい…いや、それよりもジリアンの結果に、素直におめでとうと言いたかった…。それだけのことが、出来ていれば、きっと…。」
ノエルにとってはジリアンは友人でありライバルだった。
だからこそ自分の身分や責任感に押しつぶされ、嫉妬してしまった。
「そうだな。お前の心が弱かったことが、悲劇を呼び寄せた。
ラッセルに目を付けられるきっかけになった。
それがお前の転落と、復讐の始まりだ。そしてお前は…。
自分とジリアンを利用したラッセルを許せないと決意したからこそ私と改めて契約を結んだ。」
私がノエルたちに会ったのもこの頃だね。
「そうですわね。」
「時は流れ、形は多少違えども…再びお前の前にジリアンが立ち塞がった。なぜだ?」
「…わたくしの、心が…。」
「違う。それだとリッパ―と同じだよ。
市長が彼女を利用している。彼女の同意の上だとしても市長が利用していることには変わりない。」
今重要なのはジリアンの意志じゃなくて、上で操っている方。
「そうだ。ある人間が、お前を御するためにジリアンという人間を巻き込んだ。
余計な悪魔の手を差し伸べた。」
「…それって、まさか…。式典奏者の時と同じ…?」
さすがノエル。気付いたね。
「その通りだ。お前は今も、ラッセル・バロウズの掌の上だ。」
「ノエル・チェルクエッティには結局フーゴ・ドレッセルでも、シビラ・ベッカーでもなく親友であるジリアン・リットナーをぶつけるのがいいと市長は確信してしまった。」
「…。」
「市長に使われた人間は最終的にどんな結末になってる?幸せな生活を送ってる?」
「…送ってませんわ。…という事はまさか、ジリアンも…!?」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 8人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
夜桜夢遊(プロフ) - スイさん» ありがとうございます！これからも楽しんでください！ (2020年7月19日 20時) (
レス) id: 55ced09323 (このIDを非表示/違反報告)
スイ - 面白かったです！続き待ってます！更新頑張ってください！ (2020年7月19日 16時) (レス) id: da4fd86884 (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - ルナさん» 出来ました！タイトルはアルビノのエルフの少女は物凄く人見知りです。 (2020年6月14日 19時) (レス) id: e8084d140d (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - 良いですよ！私が更新して、貴方が更新しますよ。pasuはkaku1です。 (2020年6月14日 19時) (レス) id: e8084d140d (このIDを非表示/違反報告)
ルナ(プロフ) - 星猫さん» 良いですよ!!ただ、合作は初めてなので色々と教えてもらうことになると思いますがそれでもいいならですけど。 (2020年6月14日 9時) (レス) id: 55ced09323 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：夜桜夢遊 | 作成日時：2020年5月27日 19時
