カロンの過去話 ページ7
カロンの過去編は第三者目線になります。
それでは本編をどうぞ！
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ダダーン
「大悪魔カロン。召喚の儀に応じ参上した。」
深夜。
海辺の岩場に魔法陣が描かれ、大悪魔と名乗る男の前には年若い銀髪の男がいた。
この銀髪の男が呼び出したのだろう。
「…あ、悪魔…!すごい、本当にこんなことが…!」
男自身悪魔が本当に出てくるかは半信半疑だったのだろう。
口から驚きと感嘆の言葉が紡ぎ出される。
「男よ、お前が私を呼んだのか？」
「…そ、そ、そうだ…!俺がお前を召喚した。
つまり、お前は俺の言う事を聞く立場なんだ…!そうだよな…!?」
男の上からの物言いに悪魔は疑問符を浮かべる。
「…私がお前の言う事を聞く立場？何を勘違いしている。」
「…え?」
次は男が疑問符を浮かべる番だ。
「呼ばれた大悪魔が、召喚者と契約を結ぶかどうか…それは悪魔が決めることだ。
お前が決めることではない。」
「な、何だと…!?話が違うぞ…!」
どうやら本気で自分の方が立場が上だと思っていたらしい。
男は焦りを見せ始めた。
「大悪魔は代償と引き換えに、契約者の使い魔となる一騎当千の怪物だと聞いた…！」
「無礼者め…。どこかで間違った知識を得たらしいな。」
使い魔と言ったことか、はたまた怪物と言ったことか。
とにかく男の発言に悪魔はイラつきを見せる。
「悪魔と契約者は対等ではない。使い魔などにはならん、お前と契約を結ぶかどうかも気分次第。
くだらんことを言って私を侮辱するようなら今ここで八つ裂きにしてやってもいいんだぞ。」
「そ、そんな…。それじゃあ、“この状況”をどうすれば…!」
悪魔と対峙していること以上の何かに怯えを見せる男。
「いたぞ、こっちだ。」
遠くから声が聞こえてくる。どうやらこの男は追われていたらしい。
「ううっ…!」
恐怖で男が呻く。
男の後ろから五人の男が姿を現す。
身なりからしてマフィアの一派と見える。
「…!?こいつ、悪魔を従えてやがるぞ…!」
「こんなところに逃げ込んだと思ったら…悪魔を隠してやがったか…!」
「アンタもとんだ悪党だな、へっへっへ…!」
男たちは下卑た笑みを浮かべて契約しようとしていた男を見ている。
「…どういう状況だ、これは？」
「見ての通りだ、追われてるんだ。」
男は悪魔の背後に隠れながら答える。
「ここですぐに悪魔を召喚できるように準備してもしもの時は悪魔を使って乗り切ろうと思ってたんだよ…。」
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作者名：夜桜夢遊 | 作成日時：2020年4月8日 22時
