過去話 ページ6
私はサウスブルーの人狼族の暮らす島に生まれた。
私の父は王様で母は街の薬剤師。
身分差とかで結婚するの大変だったんじゃないかと思った?
人狼族は身分より強さを重んじてたから大丈夫だよ。
まあ、強さ云々よりも結局は本人たちの意志が最終的な決定要素だったけどね。
王家に生まれた私はいわゆる英才教育を受けて育った。
でもさっきも言った通りこの島は身分の差に寛容だったから王宮暮らしが窮屈とか思ったことはないし、むしろ城下で遊ぶことも許されていた。
事件が起きたのは私が18歳の時。
その日、私は海外視察から帰る日だった…。
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「…と、これとかカロンの過去に関係ありそうじゃない?」
「そうですわね…って、え!?」
「痕跡を探しつつって言ったでしょ?見つかったから続きはまた後でね。」
「いいところで終わらせないで下さいまし。」
「まぁまぁ。多分これだけじゃないと思うから続きは次のものを探すときにね。」
「ムムム…。」
可愛い。
テレビの隣に置いてあった政治の本を持ってカロンのもとに向かう。
「カロン、この部屋にあった政治の本ってカロンの?それとも…?」
「…ふっ、どうだかな。お前達はどう思うんだ？」
「わたくしはバロウズ市長が読んでいたものじゃないかと思いますわ。」
「この部屋の本、全部政治関連に偏ってるしね。」
「…そうだな。その通りだ、それは私のものではない。」
お、認めた。さて、カロンの過去話聞かせてもらおうか。
「その本はかつて、私という大悪魔を召喚しこの隠れ家で共に悪巧みをした若い市議のものだ。」
･･･絶対悪巧みとかそんな可愛いもんじゃない。
「あれは、ちょうどこの岩場でのことだったな…。波の静かな、しかし騒がしい夜だった。」
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作者名：夜桜夢遊 | 作成日時：2020年4月8日 22時
