白髪少女のトリップ記３ (ページ49)

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ジリアンの願いページ49

「どうか、ラプラスから遠く離れたどこか遠くで静かに、幸せに、生きていって欲しい。
これ以上、その手を血に染めないで欲しい…。」

「…嫌だと言ったら?」

「この魔方陣を開放して、シーザーの拘束を解除する。」

は!?それ絶対ジリアンの身が持たないよ!?
命を懸けてでも止めるっていう覚悟って事かな。

「この魔方陣の大部分は、召喚のためのものじゃない。
強すぎるシーザーを拘束し続けるためのものなんだ。」

良かった。モドモドの実の能力使って魔法陣消さなくて。
相当な負担がかかることになってたよ。あの時の私ナイス判断。

ダンッ

瓦礫をどけてシーザーが立ち上がる。
随分丈夫な体のようで。

「…背中から落ちたのに、もう立てるのか…。」

「直に警察も到着するだろう。ここは痛み分けってことでお開きにしようじゃないか。」

チッ。でも、カロンも重傷とまではいかないものの怪我をしてる。
明らかに不利だ。ここは受け入れるしかない。

「…ノエル、どうする。」

「明らかにこっちの方が不利だから、撤退することを薦めるけど。」

「どうして…こんなことに…。ジリアンだけは、これ以上巻き込みたくなかった…。
それなのに、そのジリアンが、自分の意思で…!?どうして、どうしてですの、ジリアン…!?」

「どうか迷わないで、ノエル。復讐なんてつらい事、する必要はないよ。
僕がいる限り…これ以上ノエルだけに辛い思いはさせないから…!」

「ジリ･･･アン…。」

「もうどうしようもないよ、ノエル。
むしろシーザーとバロウズ市長を同時に、よく戦ったよ。でも、もうすぐ警察が到着する。
そしたらノエル、捕まっちゃうんだよ？
手足を失って、そんな体になって頑張った挙句、犯罪者として捕まるなんて、嫌でしょ？
ここで逃げるのは恥ずかしくないよ。それが一番、賢明な判断なんじゃないかな。」

まあ、正論だね。

「だから復讐なんて、もうやめよ？」

それは、本人の意思次第だね。

「安心してくれ。お前たちの背中はもう見慣れた。
今更それを指さして笑ったりはしないさ。もう笑い飽きてきたからな…!」

前言撤回。やっぱ殺していい?
他人の獲物を横取りする趣味はないけど腹立つから殺っちゃっていい?

「…逃げましょう。」

「…それしか、無いのか…?いや、しかし…本当にいいのか、ノエル…。」

「わたくしは、ジリアンとは…戦えませんわ…。」

さすがノエル。