最悪のシナリオ ページ42
嘘だ…。更新したはずのデータが消えてるなんて私は信じない!!
「はいはい、現実を見よっか。」
書き直しだ…。
＿＿＿＿＿＿＿
「チッ、キリがないな…。このままでは持たん…！
ノエル、A、お前達は先に出口へ向かえ！私は奴をひきつけ、このまま上に行く！」
この先に妨害できるものがある保証はないし、いつ本気を出すかもわからないもんね。
それに、私が立ち塞がるより同じ悪魔のカロンの方が無視できない。
「了解。持って何分？」
「30分くらいだな。」
「それなら充分。出たら知らせる。」
そう言うと私は階段を駆け下り、カロンは上に向かった。
「A…！」
「大丈夫。カロンはそう簡単に死なない。
今は生きてここを出ることだけを考えて。」
あれ、この匂い…。
一階に降りた時嗅ぎ覚えのある匂いが鼻を刺激した。
その場で止まりゆっくりと歩く。
「どうしたん…ッ!?」
ノエルも気づいたらしい。目の前から市長が向かって来るのが見える。
最悪のシナリオが再現された…!
「…!」
気付かれた…。ここは狭い一本道。隙をついて逃げることは出来ない。
どうする?
「…バロウズ市長…！こんな時に…！」
「この時間、このタイミングでの侵入者…もしやと思って出向いたがやはりノエル、A、お前達か！」
｟戦闘中にごめん。カロン、聞こえる？｠
｟ああ、出れたのか？｠
｟市長と出くわした。｠
｟何!?大丈夫か?｠
｟一応。取り敢えず引き続きシーザーの足止めをお願い。合流されたら逃げれる確率が下がる。｠
｟分かった。｠
バーン
「バリア!!」
いきなりの銃声で反射的にバリアを張る。
「こっちはこっちで絶体絶命ですわ…!」
「カロンに連絡はした。とりあえず、この中に入るよ。」
たまたま開いていた部屋に転がり込み、そのまま仕切りの陰に身を隠す。
｟ノエル、動ける?子の姿じゃ見つかる可能性が高まる。｠
｟大丈夫ですわ!｠
降りたのを確認すると人の姿になる。そこに追ってきた市長が話し始めた。
「…どこに隠れた？まあ、いい、どうせその辺にいるんだろ。
どうせまたコソコソと何かを持ち出して逃げようって言うんだろうが…。
ここは普段、誰も来ないんだ。こちらとしても、邪魔者の始末には都合がいい。」
誰がやられるか。
気配的にあいつはいない。だけど、別の誰かはいる。
でも、いないなら好都合。
｟市長は拳銃を持ってる。物陰に隠れながら行くよ。｠
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作者名：夜桜夢遊 | 作成日時：2020年4月8日 22時
