探せ、カロンの過去につながるものを!! ページ5
「…やっぱり、そうなりますわよね。市長が言いたい放題なのは癪ですけれど…。」
「…だが、見つかってはいないようだな。どうにか…ここで体を休められそうだ…。」
ネツネツの実で氷は溶かしたので足はついていない。
怪我が完全に癒えるくらいまでならここで過ごせるだろう。
「しかし、もとより警察は敵だったが…いよいよ、うかつに表を歩けなくなったな…。」
「そうですわね…。いよいよ犯罪者めいてきましたわ…。」
市民の目も敵となると今まで以上に身を隠せなくなってるよね。
しかも顔写真公開されているし。
「…それはそうとして、カロン。今度こそ聞かせてもらいますわよ。」
「…何をだ？」
「予想くらいついてるでしょ?市長との関わりについてだよ。」
「…やはり、知りたいか。」
「そりゃあ、もちろんですわ。
シビラは、まるであなたが市長と契約を結んだことがあるかのようなことを言ってましたもの。」
「…ここは、かつて私が活動拠点にしていた場所だ。
お前に召喚されるずっと前に…このラプラスでな。」
え、悪魔ってそこらへんの空き家に住んでるもんなの?
なんか異世界から召喚!みたいなイメージだったんだけど。
そして活動拠点ってどういう事?
「…探せば、かつての痕跡も出てくるだろう。」
つまり証拠となりそうなものを渡せば話してやらなくもないってこと？
「知りたければ、その手で…探してみろ。」
･･･ロジャー?
「私は…認めたくはないが大悪魔の攻撃で深手を負っている。
どうせうかつに表を歩けはしないんだ…少し休む。」
「…この洞穴に、貴方と市長の秘密が…。」
「二人で探そう。」
とはいってもそんなに探すところはないけど。
「Aはあの黒髪の男性とどんな関係なんですの?」
黒髪…?ああ、あいつか。
「ターゲット。憎むべき仇。“俺”を作った元凶。」
抑揚も無しに淡々と告げる。
「ご、ごめんなさい。」
「何を謝るの?別にノエルは何も悪くないよ。そうだね、せっかくだから話そうか。
カロンの言う痕跡を探しつつ私の過去を…。」
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作者名：夜桜夢遊 | 作成日時：2020年4月8日 22時
