作戦を確認 ページ37
「･･･ぃ、…ぉぃ、おい、A!!」
「何!?」
思わず手を止めて顔を上げる。
「ノエルが戻ってきたから作戦を確認するぞ。」
「あ、ごめん。もうそんなに時間経ってた？」
ついつい刀を研いでるときは周りの事が見えなくなる。
悪い癖だとは分かってるんだけど、どうしても治らない。
「いいか。私達の目的はあの大悪魔の召喚の痕跡を手に入れることだ。
だが、旧市議会議事堂は恐らくあの大悪魔を隠しておくための…隠れ家でもあるはずだ。
忍び込めば、遅かれ早かれ気付かれ、追われることになるだろう。
しかし、別に戦って倒す必要はない。あいつから逃げ、手掛かりを探し出すことだけ考えろ。」
「貴方ではあの悪魔に勝てませんものね。」
「…足止めくらいなら、たぶんできるぞ。いや、不意を突けばきっと倒すことだって…。」
「見苦しいからそういうのやめた方がいいよ。」
「…。」
あ、落ち込んじゃった。というか、さっき何かが壊れる音がした…。
まさかカロンってガラスのハート？
「まあ、もともと悪魔からは逃げる方向だからそこはどうでもいいんだけど…。
旧議事堂に市長が来る可能性はないの？」
「…ゼロとは言い切れんが奴も執務がある。可能性は低いだろう。」
「そっか…。」
「悪魔の召喚の痕跡というのは…魔法陣とか、血とか、そういうものですわね?」
「…そうだ。怪しいものは全て持ち帰れ。
魔法陣は、塗料をハンカチで拭って来るだけでもいい。
それらがラッセルを追い詰める役に立つかどうかは、持ち帰ってから考えればいいのだ。」
「分かりましたわ、兎に角長居は無用というわけですわね。素早く行って、素早く帰りましょう…!」
「そうだね。」
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作者名：夜桜夢遊 | 作成日時：2020年4月8日 22時
