市長って何抱えてるの ページ24
「俺はな、とっくに覚悟してるんだ。自分のために、邪魔なもの全てを払いのける覚悟をな。
…これでやっと、解放される。邪魔なものは今日、全て、このホテルで手に掛けた。
俺を縛っていた全てが崩れ落ち…やっとラッセル・バロウズの人生が始まるんだ…。」
そう、ラッセルはカロンに淡々と告げる。
達成感と満足感の余韻を残す表情。
その言葉にカロンは戸惑いを隠せない。
「…話が見えてこないぞ、ラッセル。」
「…。さぁ、俺はもう行く。」
去っていく後ろ姿を見つめ、小者がとんだ化け物に成長したなとしみじみと考えていた。
.
.
.
「…私は奴がいつまでも臆病な甘い男のままだと思っていたが…。」
「実際は自分の欲望のためなら何でもする男だったってことだね。」
「ああ。」
「…。」
ノエルは目を見開き驚いた表情をしていた。
「…マフィアの殺戮はまだ分かりますわ。市長らしいと言えば…そうですもの。
でも、なぜ、自分の父親までもそんな簡単に…？
破滅が決まっている権力のために親を殺すなんて正気じゃありませんわ…。」
「それは最後まで私に語られることはなかった。
気になるなら…本人にでも聞いてみろ。」
酷い仕打ちをされたか、親を通してみられるのが嫌だったのか。
何を考えても推測の域を出ないしこれ以外かもしれないから何とも言えないけど。
「ただ真実なのは、ラッセル・バロウズという男の狂気を育ててしまったのは紛れもなく、
この私だという事だ。」
「…でも、それを楽しむのが悪魔なんでしょう？
貴方もだいぶノリノリだったみたいですし。」
「そうだ。
少なくともその時は、奴の行動に驚きつつも私はその豹変を楽しみ、後の破滅に心を躍らせた。」
その時は…？代償が起きなかったからか。
「…少なくともその時は…？」
ノエルも疑問に思ったらしくカロンに聞く。
「…まだ終わりじゃないのさ、奴との物語は。
…さぁ、この辺で区切りとしようか。体調も良くなってきた。
出口まではもう少しだ、それまでに機会があればまた続きも語ってやるさ。」
「いやいや、ここまで話したなら全部話して下さいまし！
変に引っ張る必要ありますの!?」
「いや無いと思う。」
「…喋り通しで疲れた。それだけさ。」
＿＿＿＿＿＿
久々のAside。こんな感じであってるよね？
最近、個人で怪異症候群×鬼灯の冷徹作り始めたから自信ない…。
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作者名：夜桜夢遊 | 作成日時：2020年4月8日 22時
