カロンの過去！ ページ18
「暗殺、脅迫、汚職…。
今日まで色々な悪事に手を染めてきたが…正直な所、未だに実感がない。」
銀髪の青年ラッセルが隠れ家である洞穴の中で呟く。
ホワイトボードや地図帳があることからおそらく作戦を立てる部屋だろう。
「実感が無いのは誰にも疑われてないからだ。」
彼のつぶやきに答えたのは契約を結んでいる悪魔カロンだ。
「もしヘマをしていれば今頃は警察に追われてそれどころじゃないだろうからな。」
「…お前のおかげだよ、カロン。
マフィアと繋がっている議員を狙撃する時、俺は奴を病院送りにして脅してやればいいと思った。
だがお前は、半端なことはせず確実に殺すべきだと言った。だからその通りにした。
マフィアの幹部を拷問した時も俺は奴自身を痛めつけることしか頭になかった。
だがお前は、家族や友人をも人質に取るべきだと言った。だからその通りにした。
･･･お前の言う事は恐ろしいけど、結果はついてくる。
その度に俺はまだまだ甘いんだと思い知らされるよ。」
契約した当初とは違い、主に精神面においてラッセルは成長していた。勿論、悪い方向にだが。
「そうだラッセル…お前は甘い。まだまだ人を無慈悲に蹴落とす覚悟が足りん。
悪魔を引き連れて敵と接触しているんだ…。
見られた人間は女子供も全て殺すくらいのつもりでなければな。」
「…そうだな。」
若干冷や汗を流しながらもカロンの言葉に肯定するラッセル。
「クク…今日の酒は弱かったか？もっと酔え、邪魔な理性は捨てろ。目的だけ考えろ。
正直ここまで出来るとは思ってなかった。お前はよくやっているさ。
血塗られたラプラスの独裁者の座はもうすぐだぞ。
何ならこっちのブランデーも空けておくか？」
酒の入ったグラスを傾けながらカロンは言う。
弱腰だったラッセルがここまで成長したことに一種の敬意と驚きを感じているようだ。
「人聞きが悪いことを言うなよ。
俺が欲しいのは独裁者の座じゃない、誰にも従わなくて済む力だ。」
「私からすればどちらも同じだ。なぜお前という奴はその話になると細かくなるのか…。」
どうやら"誰にも従わなくて済む力"にラッセルはこだわりを持っているようだが
カロンは心底どうでもいいという風に呆れたような声を出す。
「…放っておけよ相棒。俺のこだわりだとでも思っていればいい。」
相棒、と呼んでいる割には頑なに理由を話そうとしない。
＿＿＿＿
最近つまらなくなってる気がするんですけど読者の皆さんはどう思いますか?
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 5人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：夜桜夢遊 | 作成日時：2020年4月8日 22時
