白髪少女のトリップ記３ (ページ16)

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夢主の過去編ページ16

その時初めて理解した。この世には知ってはならない事がある事を。
なぜ両親が昔話を話すのを躊躇っていたのかという事を。

私達はかつて栄えた一族と深い関わりがあり世界政府は口封じをするために先手を打った。
海賊のいなかった平和な世界を厳しい身分制度と海賊の暴れまわる波乱に満ちた世界に変えたことを隠すために。

理解した瞬間に私は怒りで震えた。
自分たちの自己保身のためだけに私の国民は家族は殺された。
気付けば人獣に変化しその鋭い爪で首を搔き切っていた。
死に際に何か言っていたが聞かなかった。

半獣になって親の匂いを探す。幸いいた場所が風下だった為すぐに見つかった。
だけど見つけた時には母はすでに事切れ、父も殆ど瀕死の状態だった。

「A、帰ってきてたのか。」

「喋らないで必ず助けるから。」

「ごめんな。国を守れない不甲斐ない父親で。」

「ねぇそんなこと言わないでよ。死んじゃうみたいじゃん。」

「A…、お前は…生きろ！」

「お父さん！…!!」

父がそう言うと同時に青く薄い膜が覆う。瞬時に父が何をするつもりなのか理解した。

「やめて！まだ助けられるから！」

「最期に一つ頼んでもいいか?」

「最期なんて言わないで!!」

「俺の能力を絶対に奴らに渡さないでくれ。A、お前が持っていてくれ。
ただもしお前が信じる奴がいるならばそいつに渡せばいい。頼んだ。」

そう言い残すと父は私に不老手術、自分の命を犠牲に他人を不老不死にする技を施し息絶えた。
私は傍にあったリンゴに能力を移すとその場を立ち去った。

その後激しい戦闘がしばしば起き生き残ったのは私一人となった。
船に待機させていた部下たちは遠距離からの攻撃に船が耐え切れず沈没。
その襲撃を生き延びた者たちもゾオン系の能力者による空からの攻撃で死亡。
私と上陸していた部下も健闘したらしいが大将の前に敗れた。

海軍は不老不死になった私を捕えようとしたが私の決死の抵抗により挫折。
その際送り込まれた中将5人、大将3人のうち大将1人を残して全滅させた。
その生き残りが黒龍、本名カイン・エルズベルド。
奴は1度その後に私の手で殺したはずだったが自身の能力でここに逃げ込んでいたらしい。

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「これが私の過去のすべて。」

「壮絶ですわね…。」

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Aの過去編終わったぁ
最後の方無理矢理感があるけど気にしないで下さい
空白の100年に関しては原作持ってないので完全なる想像です。