白髪少女のトリップ記 (ページ10)

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太陽はアルビノの天敵です！ページ10

ガチャ
うげ、太陽出てる。ちょっとだけなら平気かな。マント羽織ってるし。
「景色に見覚えがありませんわね。」
スラム…か。どこの世界にもこんな風景があるのか。
山もないし建物も違うけど、どこかゴア王国と似ている気がした。
「A、どうしたんですの？」
「え？」
「泣きそうな顔をしていましたわよ。」
「大丈夫だよ。」
マジか、顔に出てたか。気を付けなきゃ。
「ここはスラムだよ。」
「スラムなんて教科書でしか見たことありませんわ。どうしてわたくしがこんなところに？」
ノエルって明らかにお嬢様だもんね。
「ひっ、睨んできましたわ。」
「あー大丈夫だよ、ノエル。よそ者の私たちを警戒してるだけだから。そろそろ戻る？義足で大変でしょ。」
カロンも戻ってきてるだろうし。
これからの事も考えなきゃだし。
「ええ、そうしますわ。」

拠点に戻るとすでにカロンは戻ってきていた。
「おかえり。目が覚めたようだな。」
「あ、貴方は！」
ん？何か不穏な空気なんだけど？ノエルがめっちゃ怯えてるんだけど。
この２人何かあったの？
「まあ、落ち着くがよい。大悪魔はむやみに人を襲うような真似はしない。」
「…っ！お、覚えてますわよ！わたくしはあなたに両手足を…！よ、よくも、よくも‼」
話が見えてこない…。私空気だし。
「やはりそういう反応になるわけか。はぁ…。まあ無理もない。お前は何もわかっていないのだろうからな。」
はい！Aさんも何もわかりません！
「だが、お前がそうなったのは誰のせいでもない…。まぎれもなくお前の軽率さのせいだ。」
軽率さ…？代償を知らずにカロンと契約したとか？
「な、何ですって…！そこまで言うならまずは説明して下さいまし！どうしてわたくしがスラムにいるんですの、あの後いったい何があったんですの！この状況は一体どういうことですの！」
わお、めっちゃまくし立ててる。当たり前か。
目が覚めたら全く知らない場所にいたんだもん。