白髪少女のトリップ記 (ページ36)

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魔人名？今適当に付けましたページ36

「お前たちはどうなんだ、ノエル、A？」

「ど、どうとはどういうことですの！？」

「魔人名を聞いてるんでしょ？私は＜久遠の魔女＞だよ。」

適当でも言っとかないと絶対舐められる。

「そうだ、魔人名を名乗ることこそが高潔なる魔人同士のいかれた殺し合いの礼儀だ！」

どんな礼儀⁉ていうかいかれた殺し合いって何？殺しっていうのは相手の命と向き合う神聖な行為だよ！
いや別に殺し自体を正当化してるわけじゃないけどね。命を奪う時は相手に敬意を払いなさいって武道を教えてくれた人に言われたんだよ。

「そ、そんな名前ありませんしどうでもいいですわ！そんなことよりジリアンを開放して下さいまし！」

「…チッ、所詮は腰抜けか。
バロウズに『魔人と戦えるチャンスだ』なんて誘われたから乗っては見たものの…A・D・サークシアはともかくこいつはただのクソガキじゃねぇか。
道理で、路地裏ですれ違ったときに何もピンとくるものがねえわけだ。
これならあの場で殺してもよかったか…？」

「…！」

「…いや、あの場で殺ってたらさすがに騒ぎになってた。市街地じゃ大分有名になっちまったしな。」

「それにあの場で殺そうとしてたら
私が攻撃してたけど？」

「そうかい。俺はな、飢えてるんだよ。
もはや物は焼き飽きたし、すぐ死ぬ人間なんかじゃ満たされない。俺が爆破したいのは、悪魔…！
人を超えた屈強なそれを、俺の爆弾で焼きたい…！
悪魔はどんな風に砕け散って、どんな断末魔を挙げてどんな色で燃えるんだ？なあ、教えてくれよ…！」

「昼間から市街地のど真ん中で爆発騒ぎを起こすだけのことはある。頭のねじが飛んでいるようだな。」

「そうだね。」

教育のし直しが必要そうだ。

「悪魔と契約した者などその時点でいかれてる！
人の社会、人のルールに適応できねぇ化け物だ！
さぁノエルゥ、お友達を返してほしければ俺と戦え…！
お前が出来ないならそいつらを嗾けて、俺を倒してみろ！それすらできないならお前も人質もここで消し炭になるだけだ…！」

それだけ言い残すとボマーは製鉄所の中へ姿を消した。ボスはボスらしく最後に戦うって事か。

「…あんな男に捕まっていてはジリアンの身が持ちませんわ！」

「だろうな。さっさと追って倒すしかない。」

「ボマーは私が殺っていい？」

「別に構わないがどうした？」

「楽しそうだから！」

あ、引かれた。

「取り敢えず早く行こ？
あんまり遅いと殺される可能性もある。」

「ええ…。」