白髪少女のトリップ記 (ページ32)

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宣戦布告？受けて立ちます。ページ32

「A、カロン！」

「…それって手紙？」

「…‼いつの間に…？」

「大方ぶつかった時だろう。」

「開けていい？」

「お願いしますわ。」

「何これ。
『お友達の命が惜しければ24時間以内に
　スラム郊外の廃製鉄所まで来い。Mr.ボマー』
だって。
両親は救助されたけど長女が見つかってないって
やっぱりそういう事か。」

「Mr.ボマー…噂の爆弾魔ってところか。」

「行くの？明らかに罠だけど。」

「…そうかもしれないですわ。でも、このままではジリアンの身に危険が及びますわ！」

「…だろうな。
　お前がそう言うであろうこともわかっていた。
　結局は私たちの仕事というわけだ。」

「で、でも助けてくれますの？」

「助けてほしければバロウズへの復讐に協力しろ…
と、言いたいところだが…。」

「わたくしはAと二人だけでも廃製鉄所に行きますわ。
そこで死ぬことになってもそれはわたくしの問題…。
少なくとも、悪魔と無関係なジリアンは解放されるはず…。それで罪のない友人が助かるのなら…！」

いい決意だね。

「…それでは、私が困る。敵の戦力は未知数…。Aがいるとはいえ無事に帰ってくる保証などどこにもないのだからな。」

「…それ、私の事を馬鹿にしてる？」

「最悪の場合を想定しただけだ。」

確かにあいつの気配はただものじゃなかった。
それでも能力者が大量にいたあの世界よりは楽なはず。
むすっとした顔をしてみるが効果は無いようでカロンは話を進める。

「それに私はお前に戦う意思があるかどうかにしか
　興味はない。」

「…。」

「考える時間はないぞ、
　タイムリミットは24時間後だ。
　迷うなら、今は目の前だけを見ろ。
　ジリアンを助け出す、そのために爆弾魔と戦う。
　死ぬ覚悟があるのなら、
　それが怖いわけでもないだろう。」

「…。」

「…分からんな、
　お前がなぜそんなに復讐を渋るのか。まあいい。
　いずれにせよ、選択肢はないぞ。
　お前はバロウズと…爆弾魔と戦わなければ
　ジリアンを助けることは出来ない。」

「…分かりましたわ。あなたの言うとおりです。
　今はとにかく、ジリアンの救出が最優先ですわ。
　行きましょう、カロン、A。廃製鉄所へ…！」