白髪少女のトリップ記 (ページ31)

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爆弾魔って火薬の調節出来ないの？ページ31

「うわぁ、燃えてる。」

当たり前だけど。ていうか火薬のにおい強くね！？
絶対ここ爆破させるだけならもっと量少なくてもよかったでしょ。

「…。」

「これ以上近づけないぞ。
　民間人に見られるのもまずいのに
　警察などもってのほかだ。」

「…。」

驚きで固まっちゃってる、か。
ここが友達の家だったんだね。

「その様子から察するに
　嫌な予感とやらは当たってしまったようだな。
　お友達の家か？」

「…確かに、ジリアンの家、ですわ…。」

「ふむ…。」

「爆弾魔が市長と繋がってたんだね。」

あーあ、厄介そうだな。
白昼堂々家爆破させるとか絶対まともじゃないでしょ。

「わたくしを誘き出すために、
　わたくしと親しい人間を傷つけて
　『姿を現せ』と警告を…。」

「･･･家族ではなく、あえてジリアンを狙ったのは
　上流階級の人間を襲うと大事になるから、
　といったところか。」

どうせ失敗したら切り捨てるくせに。
政府のやつらと一緒なら警察内部にまであのクソ市長の手は伸びてる。
失敗、正体を明かす。
何をしてもよくて本人だけ、悪いと周りの人も粛清対象になる。

「しかし、ずいぶんと大胆だな。
　いくら下っ端の爆弾魔を使っているからといっても
　これはいくらなんでも目立ちすぎる。
　市長としての立場を忘れたのか…？」

忘れてなんかない。これは……自信だ。
絶対に自分には火の粉がかからないという。

「…せめてジリアンの安否だけでも
　確認しなくては…。
　万が一のことがあったら、わたくしは…！」

「じゃあ、私が確認してくるよ。」

そう言うとビルから飛び降り、
髪を染めてから聞き込みを開始した。

「すみません。ここで何があったんですか？」

「ここの家が爆破されたのよ。」

「‼中の人は無事だったんですか？」

「両親はさっき助け出されてたけど…。
　長女がまだ見つかってないのよ。」

「そう…なんですか…。無事だといいですね。」

さて、そろそろ二人の元に戻るか。
いやー、自分で言うのもなんだけど演技がうまい。
女優とかできるんじゃね？
はい、冗談は置いといて、とうちゃーく！

ドン

「痛っ！」

ノエル⁉…火薬のにおい。
ぶつかったのは噂の爆弾魔ってところか。

「…おっと、すまねぇ。」

「…な、何ですの、今の人？
　なんかとても…嫌な感じが…。」

「ノエル、無事？」

「今のは誰だ？」

立ち去ったのを確認するとノエルのもとに行く。
あれ、服の隙間に何か挟まってる。