白髪少女のトリップ記 (ページ4)

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えーと…何者ですか？ページ4

「ん？こんな夜更けに何やってるんだろ？」

ビルの屋上から声が聞こえてきた。
いつの間にか月は雲に隠れており雨も降りそうになっている。
私は海岸に降りると人間に戻った。
…血の匂い!?しかも普通じゃない！致死量に至ってるレベルだよ！
禍々しい気配もあるし…いったいどうなってるの？

次の瞬間上から何かが落ちてきた。あれは…！考える間もなく不死鳥になり空中で捕まえる。
捕まえたのは手足のない少女。見たところ15歳くらいだ。
出血がひどく意識を失っている。
やばいな。血を流しすぎてる。生きているのが奇跡だ。
血液型がわからない以上私の血を輸血するわけにはいかない。
仕方がないので不死鳥の能力で傷をふさぐだけにとどめた。

「どこか安全なところに運ばないと…。」
しかし、いかんせん土地勘が無い。
悩んでいても仕方ないので上空から探そうと隼になろうとしたとき
「離してくれるか。」
誰か…いや何かに話しかけられた。
それは普通に見ればカラスのミンク族と判断したかもしれない。
けれど気配が違った。普通じゃない。
本能が逆らってはいけないと叫ぶような気配だった。
「この子を助けようとしているの？」
「お前、魔人か!?」
魔人?どういうこと？能力者の言い換えでそんな言葉あったっけ?
いや、でもその前に…。
「細かい話はあと。早くどこかで治療しないと死ぬよ。」
傷はふさいだものの、怪我による発熱がひどいことになっていた。
「…ついて来い。良い場所がある。」
「わかった。」