白髪少女のトリップ記 (ページ30)

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もうすぐ現場か…… ページ30

いつの間にか上にいたカロンがノエルに声をかける。これってまさか…。

「え、ちょっと！これはまさか…。」

どうやらノエルも気づいたらしい。

「…がんばれ。」

ごめんね。私には何も出来ないんだ。

「飲み込みが早いな、
　流石一度経験してるだけの事はある。」

「ふん！」

ドサッ

「ふぎゃ！」

「クク、一本釣りにも慣れてきたな。」

完全に楽しんでるでしょ。

「いっっったいですわね！
　もう少し優しく引き上げられませんの⁉
　市長官邸の時に、乱暴に引き上げられたせいで
　わき腹にあざが出来てましたのよ！」

「あんなに目茶苦茶に襲われておきながら
　痣で済んだならいいだろう。」

まあ確かに。
脱出時なんかリアル鬼ごっこだったからね。

「あ…。ご、ごめんなさい。
　官邸を脱出するときに庇わせてしまって…。
　それにAもわたくしのために…。」

「気にしないでよ。見ての通りぴんぴんしてるし。」

「お前に死なれると私が損をする、それだけだ。
　いらん気遣いをするな。」

「…傷は、大丈夫ですの？」

「あれ？カロン、怪我してるの？」

初めて知った。言ってくれれば治したのに。

「気遣いはいらないと言っている。
　私は大悪魔、そこまでやわではない。
　そんなことより、大分煙が近くなってきたぞ。
　近いんじゃないのか？」

ヤワじゃないったっていつかはﾀﾋぬでしょうが。
心の中でため息を吐く。
そういえば大分焦げたにおいがしている。･･･臭い。やっぱり気付いちゃいけなかったか。

「…そうですわね。わたくしもこのあたりには
　見覚えがありますわ…。」

見覚えがあるって…結構不味いんじゃ。

「ならばさっさと行くぞ。急いでいるのだろう。」

「…ええ行きましょう！」

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