白髪少女のトリップ記 (ページ22)

今日:20 hit、昨日:2 hit、合計:10,810 hit

いざ、市長室へ！ページ22

ここが市長室？扉の前にお花飾るとか、おしゃれなの？
そんなくだらないことを考えてると「行くぞ。」と声がかかった。

ガチャリ

ノックもしないで人の部屋入るとかどうなの？
あ、でも市長官邸に侵入してる時点でアウトか。
中に入ると髪をオールバックにした20～30代くらいの男がいた。こいつがバロウズか。
てか今更だけどこんな夜更けによく起きてるね。
私だったら絶対寝てるわ。

「…誰だ。」

そう言った男の空気が振り向いた瞬間、一瞬変わった。
ノエルがいることに単純に驚いたのだろう。
…あれ？いや、気のせいか。
あいつのにおいなんてここにあるわけないし。

「ご機嫌麗しゅうバロウズ市長」

「地獄の底から小娘が一人、夜這いに来たぞ。」

夜這いって…言い方ほかになかったの？
呆れながら三人の会話を聞く。

「…。なるほど、大体理解したよ。カロン、お前が彼女を助けたというわけか。」

「そういう契約をこいつと結んだからな。」

「契約、ね…。くっくっくっ、なるほどなるほど。それでノエル君。
　こんな夜更けにアポなしにどのようなご用件かな？」

この空気…。こいつ、嫌な奴だ。

「…わたくしは廃ビルで起きたこと…。その真実をあなたの口からききたいんですの。
　悪魔は、貴方がわたくしをだまして利用したと言いました。
　わたくしも、シビラさんにひどいことをされた記憶があります。
　でも、それは…えっと…何かの間違いとかそういう事ではございませんの…？」

「ふむ、例えば？」

「…悪魔に操られていたとか、騙されたとか…。
　シビラさん一人でやったことで、市長は関係ないとか…。だってそうでしょう、
　市長ラッセル・バロウズといえば誰もが認める敏腕市長…ラプラス一番の人気者ですもの！
　コンクールの日だって、落ち込むわたくしに優しく声をかけてくれましたもの…！」

「…ノエル君。そんなことのためにここまで来たのかい？バカな娘だな。」

!!湧き上がってくる怒りと殺気を無理やり押し込める。こいつ、海軍と同じくらいクソだ。
マントの下で刀を握る力を強くする。
しかも、今まで気にしてこなかったけど部屋の外の人が増えてる。
きっと話し終わった後に全員突入させる気だろう。久々にあれを使うか。
私は意識を集中させると心の中で語りかけた。