白髪少女のトリップ記 (ページ19)

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いざ、市長官邸に出陣！ページ19

外に出ると赤い夕焼けが私を出迎えた。
あ、ちょっとゆっくりしすぎたか。そんなことを考えつつ帰途につく。

「遅かったな。何かあったのか？」

「小悪魔商店？で買い物してた。」

「まあいい、少ししたら出る。準備をしておけ。」

「りょーかい。」

て言っても何も準備ないけどね。
戦争出てたわけだから持ち物なんてほとんど船に置いてきちゃってたし。

「寝るわ。」

「もう出るぞ。」

「マジで？」

「すぐに出ると言っただろう。」

少ししたら出るって言ったし。
心の中でしょうもない言い訳をしつつソファから立つ。

「ノエル、準備できた？」

「ええ、今行きますわ。」

～市長官邸前～

うわぁ、ここが市長官邸。でかい、目茶苦茶でかい。
海軍本部よかちっちゃいけど(多分)
多分かよ！って？しょうがない。
海軍本部の大きさに興味がないんだから。

「義足の調子はどうだ。」

「ゆっくり歩く分には問題なさそうですわ。」

「転んでも手をつくことすらできないがな。」

わぉ、カロンのブラックジョーク。

「人を怒らせる冗談を言わないで下さいまし。」

「言いたくもなるさ。お前の行動はめちゃくちゃだからな。」

そこは同意。
ノエルの気持ちもわからなくはないけど。

「対面して、本人から全てを説明してもらわなければ整理がつきませんもの。
　バロウズ市長たちは本当にわたくしをだましたのか…。」

「どうかしているな、自分をだまし、殺そうとした相手にわざわざ会いに行こうとは…。
　いいか、もう一度言うぞ。今お前に死なれると困るのだ。理由は二つ。」

「ノエルが死ぬと一度目の契約をなかったことにできないし
　第二の契約も達成できないからでしょ？」

「そうだ。お前は今、私の悪魔としての名誉を背負っていると思え。
　軽々しくその身を危険にさらすな。」

「守る方も大変だからね。私からも頼むよ。」

「分かりましたわ。」

「最後に聞くけど、本当に真実を聞く覚悟はあるね？今ならまだ引き返せるよ。」

「ええ、大丈夫ですわ。」

ノエルは強いな。
自分をだましたかもしれない人物に真実を聞きに行くなんて。

「ふん、ならばせいぜいバロウズに現実を突きつけられて絶望するんだな。
　お前が何を思おうが真実は変わらん。」

「…ノエル・チェルクエッティ。」

「は？」

「わたくしの名前ですわ、大悪魔カロン！お前、お前ってさっきから失礼ですわよ！」