白髪少女のトリップ記 (ページ16)

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ノエルちゃん、勇者だねページ16

プライド高そうだもんなぁ。
「…わたくしは許せませんわ。」
「そう、お前はシビラもバロウズも許せない。」
「…そのお話が本当だとしたら、許せませんわ。でもわたくしはあなたの言うがままを信じることは出来ない。」
疑うことを覚えたのか。偉い偉い。
「確かにシビラさんにひどいことをされた記憶は…あります。バロウズ市長にあの場所に呼び出された記憶も…。…でも、やっぱり…。何かの間違いなのではないかと思ってしまいますの。」
間違い？
「私の言うことがでたらめだと疑っているのか？」
「無理もないでしょ。騙されたばっかなんだから。」
ノエルは善良な市民なわけだし？
「…いいだろう、だったらどうする？情報収集でもして裏でも取ってみるか？」
「…いえ、そんな必要はありませんわ。本人に直接聞けばいいんですのよ。」
「「はっ？」」
うん？今なんか幻聴が聞こえた気が…。
「ごめん、ノエルもう一回言って。」
「ですから、バロウズ市長に直接聞けばいいんですのよ。」
「いやいやいや、市長官邸は奴らの本拠地だぞ！？いきなり一番警備が厳しい場所に行くやつがあるか！」
確かに普通の状態なら正しい選択だけど…。
「別に殴り込みに行くわけじゃありませんわ！文字通りお話を伺うだけでしてよ！」
「なるほど分かった、やっぱりお前バカだろう。奴らにとってお前はもう死んだ人間なんだよ。」
「余計なことを知ってる、始末したはずの人間が『こんにちは』なんて来たらどうなると思う？」
「「今度こそ丁寧に確実に絶対に殺されて終わりだぞ/よ！」」
「そんなこと言っても、わたくしは市長に直接お話を聞かなければ信じませんわよ！だって市長が悪人だなんて…。ラプラスに住む誰もが信じられませんわ、そんな話…。」
ああ、この目は、絶対に折れない目だ。
市長に対する絶対の信頼からくる真っ直ぐな意思を持った目をノエルはしていた。
守り抜こう。私がこの世界からいなくなるまで。
「…分かった。ただし、私も護衛としてついてく。」
「おい!?」
「だってこっちが諦めなかったら一人でも乗り込むよ、この子。」
それでノエルが死ぬのは本望じゃないでしょ？と続ければ諦めたように言った。
「…チッ、今回だけだぞ！本当はお前がバロウズへの復讐を決めない限り私がお前をこれ以上助けてやる理由などないが…今死なれると困る。特別に市長官邸に忍び込む手助けをしてやる…！」