白髪少女のトリップ記 (ページ12)

今日:28 hit、昨日:2 hit、合計:10,818 hit

お話終了！ページ12

･･･前言撤回。普通に悪魔だったわ。
優しいとか思った自分を殴りたい。
「おっと、話が違うとか、先に言えとかのたまうなよ？悪魔の契約は、悪魔が一方的に決めたことが絶対だ。」
「…。」
「悪魔の契約は金ではなく、魂でするのだ。悪魔はそれだけ人間にとって危険なもの。召喚さえすればなんでも願いをかなえてくれる…、そんな都合のいい魔法じゃない。お前はそれを知らないまま契約した。･･･分かるな？だからこそシビラは自分が悪魔と契約するのではなくお前を言いくるめ、お前に契約させたんだ。それにお前、どうしてあんな所にいたんだ？…バロウズに廃ビルに来いとでも言われたんじゃないのか？」
「そ、そうですわ…。」
「なら確定だね。そのバロウズっていう市長もシビラとグル。ノエルはまんまと二人に騙されたんだよ。」
ノエルは信じたくないだろうな。
自分で真実を突きつけながらどこか他人事のように思う。
いや実際他人事だ。本来なら関わるはずのなかった世界。
私がいること自体イレギュラーだから。
「…。」
「あなたはなぜ今ここにいるんですの？もうわたくしとの契約は終わったはず…。」
「ああ、終わった。ステラステージの社長を殺せという第一の契約はな。」
「第一の契約？」
「もしかしてノエル、助けてって願わなかった？」
今までの話だと、カロンがノエルを助ける理由はない。
もしあるとすれば第二の契約をノエルが無意識のうちにでも交わしたこと。
「…あ。」
「それが第二の契約、二つ目の願いだと判断した。だからこいつと共に傷を塞ぎ、ここまで運んだ。その義肢も、流石に両手足が無いと何もできないだろうと思って足だけサービスしてやったんだ。感謝しろ。」
うわ、上から目線。偉そっ。
「…。」
「感謝しろと言っている。ほれ。」
「棒読みでもいいから言っといたほうがいいと思うよ(小声」
「え、あ、ありがとうございます…？」
「うむ。」
「…。」
表情読み取りにく！…って違うか。
ノエル、若干引いてるし。
「な、なんだかわたくしの服が新しくなっているように見えるんですけれど…。」
「あ、それは私だよ。血塗れだったから着替えさせたんだ。服を持ってきたのはカロンだけど。」
「そ、そうなんですの。てっきり見られたのかと…。」
「大丈夫だよ。」
いや、あれ待って。なんでサイズぴったりだったんだ？
何これ怖っ。七不思議！
「良かったですわ。最後にAは悪魔なんですの？」
「違うよ。たまたま居合わせたから助けただけ。」