Actress. XI

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｢てかなんで山田もいるのよ｣

｢いや〜なんか…流れ？｣

｢アイツ、うちのかわいい新谷のことが好きなんじゃないの？なのになんでいるのよバカなの？｣

｢まぁほらいつもその新谷に愛を伝えてるじゃん？毎回めげずにさ｣








話はもうついたと思い戻ろうとした2人だったが直前になって思い出した山田と新谷のかわいい後輩コンビの存在

新谷はどうかは知らないが少なくとも山田の方は新谷に気があり、会う度に好意を伝えてるが

毎回決まって流されている

藤からして見ればあれだけ好き好き言ってたのになんで合コンにいるんだよ

1度好きと言ったなら完璧に振られるまで一途に思っておきなよと思うのだが

源は苦虫を噛み潰したような顔で天を仰いだ

照明がすごい眩しい









｢でもさ……恐ろしいほど脈ないじゃん新谷｣

｢まぁそれは否定しないかな｣

｢だから俺が言ったのよ、新谷なんて高嶺の花は諦めて新しい女の子を探そうって｣

｢最低、アンタが決めんじゃないわよ｣

｢怖っ｣

｢でもそれは前までの新谷でしょ？最近のあの子は本当に気がないようには見えないけど？｣










好き、かわいい、今日も綺麗だねと色んな言葉を伝えても

照れるどころか冗談だと受け取り華麗に流すのが新谷という恋愛経験ほぼなしの箱入り娘だ

山田も山田で心のどこかで叶うわけないと思ってしまっているからこそ

本気で思いが伝わらない……のかもしれない









｢え、それって何？実はってやつ？｣

｢あの子がもしアンタを選んだら全力でやめときなって言うけど山田だしね、心から応援できるよ｣

｢なんか俺今さりげなくディスられたよね｣








まるで部屋に吸い込まれるかのように

何事も無かったかのように

合コン会場へ戻って行った藤と軽くディスられた源

お互い絶対に負けられない戦いが今、再び幕を開ける









｢藤さんたちは？｣

｢公務員です｣







乾杯して早々お仕事の話になった藤たち

警察官なんて物騒な仕事をしてることがバレたら出会いはなくなる

藤は自ら率先して口を開き、咄嗟に公務員を名乗った








｢(公務員…藤さん本気だ、本気で出会いを掴みに来てる)｣

｢(確かに嘘ではない)｣







警察官だって公務員だ

嘘はついていないが問題はその先








｢じゃあお勤めは市役所とか？｣

｢はい！そんな感じで｣

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