十話:兄の後悔（過去編） ページ11
鈴の兄Side
兄「何故、何故！俺の妹が拐われないといけないんだっ！目を離したが故にっ、俺のせいだ…
絶対に鈴を鈴を見つけてみせる、俺が死んででも必ず」
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紅葉屋敷の居間にて
母「春彦、また探しに行くのね…」
兄「はい、母様…行って参ります」
母「貴方まで居なくなってしまったら私はもう」(泣)
兄「母様…必ず鈴を見つけて帰ってきます…ですから気長にお待ち下さい」
そう母に別れを告げて、居間から出ようとした時
母「待って！春彦っ…おにぎり作ったの、お腹が空いたら食べてね…お願い」(泣)
兄「母様っ…必ず帰ってきます！少しの辛抱です」
春彦は、母様の大事な握り飯を風呂敷に入れて
母様が居る居間から去った…涙を堪えながら
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屋敷の玄関にて
兄「父様、母様行って参ります。」
父「春彦っ！」
父が春彦の両肩を強く掴む
兄「……」
父「お願いだ…！行かないでくれ、もう母さんが
泣いているところなんて見たくは無い」(泣)
兄「父様は、それでいいんですかっ！
私は絶対に諦めません…鈴はきっと辛い目に合っています…それを見過ごす訳にはいきません
鈴の為なら俺の命は惜しくないです」
父「鈴は、もう亡くなっているんだ！もうこの世には居ない…受け入れろ春彦っ！」
兄「鈴は亡くなってない…まだこの世にいる
仮に亡くなっていたとしたら、鈴を拐った者に仇を討たなければ気が済みません」
父「やはり春彦は諦めないんだな…」
父「だが一つだけ頼みがある
必ず帰って来い 」
兄「分かりました。"必ず"還ってきます」
そう口にしたあと屋敷から旅立ったのだった
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皆さんも勘付いている通り、紅葉芭春彦は、
桜月鈴の兄です
因みに春彦と鈴の年齢差は15歳です
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作者名：えんどう | 作成日時：2021年7月19日 20時
