after story ページ23
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電話はぷつりときれた。
私はスマホをバッグにしまい、綺麗になった部屋を見渡した。
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綺麗______というか元の姿に戻った部屋を見て、こんなに広かったっけと思う。
大きな家具を覗いた小物類が全てなくなった真っ白な部屋。
ここで毎日生活していたことを思うと、不覚にも涙が溢れてくる。
.....1人で感傷に浸っていると、インターホンがなった。
よくモニター越しに見た配達員の人ではなく、そこには引越し業者の男性の姿が映っている。
「はーい」
業者「お荷物を取りに来ました」
そう言って、数人の男性が部屋に入り、食器や小物類、衣類などが詰め込まれた段ボール箱をトラックへと積んでいく。
業者「お届けする住所はここでお間違いないでしょうか」
そう言って見せられた紙には、これから私が住む家の住所。
「はい、そこでお願いします」
そして、これからは大好きな彼と暮らす家。
引越し業者のトラックが走り去り、私は再び部屋を見渡す。
本当に何も無くなった白い部屋。
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「______いってきます」
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私は、もう2度と帰ってくることの無いこの場所に背を向けた。
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そして私は
東京行きの新幹線へ乗った。
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これから共に過ごす
大好きな人の所へ行くために。
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〈...東京駅に到着しました。東京駅に...〉
ガラリと電車の扉が開く。
大勢の人々に紛れてホームへ出ると、
.....すぐに見つけた。
黒尾「よ、A」
大好きな声で
私の名を呼んでくれる
そして
これからもずっとそばにいてくれる愛しい人
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「.....鉄朗っ!」
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_____あぁ。
私は今、世界で一番の幸せ者かも知れません。
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『お届けものです。』
after story 完
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紗英(プロフ) - 死神。さん» ホントですかっ!!めっちゃ嬉しいです((o(*>ω<*)o)) ありがとうございます! (2015年12月30日 18時) (レス) id: 364178176a (このIDを非表示/違反報告)
死神。 - うあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ…めちゃくちゃ泣きましたぁぁぁぁ!!!!!すごく感動する小説作ってくれてありがとうございますぅぅぅぅぅ← (2015年12月30日 17時) (レス) id: 56a0cadebf (このIDを非表示/違反報告)
紗英(プロフ) - 綺朔羅さん» ホントですか.....嬉しいです・゚(ノД`)・゚ 読んでいただきありがとうございました! (2015年12月30日 14時) (レス) id: 364178176a (このIDを非表示/違反報告)
綺朔羅(プロフ) - 泣いた。ヤバイ。イイ話過ぎる。 (2015年12月30日 14時) (レス) id: f9ce485502 (このIDを非表示/違反報告)
紗英(プロフ) - 岩野りんご元緑猫さん» あ、ありがとうございます(((o(*゚▽゚*)o))) そんな風に言っていただけて嬉しいです! (2015年12月28日 13時) (レス) id: 364178176a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紗乃みこ | 作成日時:2015年12月23日 0時